2014年兵庫高校生訪問
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学外活動

2012年兵庫高校生訪問
2012年兵庫高校生訪問

本ページの写真は生徒さんと高校の許可を得て掲載しています

 

■兵庫高校で出張講義(01/08/15、※講義は12/19/14実施)

 

講義タイトル

「体に良い食べ物、悪い食べ物を考える食品機能学」

(内容は昨年とほぼ同じです)

 

【概要】

・植物に含まれる「ファイトケミカル」が健康成分として注目されている(具体例:カテキン、アントシアニン)。

・しかしファイトケミカルは必ずしも「カラダに優しい」成分ではない(βカロテンを投与した結果、逆に肺がんの発生率が上がった臨床例を例に挙げた)。

・また逆に、毒性ガスとして知られる一酸化炭素も適切な低濃度であれば、抗酸化性や抗炎症性など良い機能性も見られる意外な事実を紹介した。

・約500年前の医師・錬金術師パラケルススの言葉「すべての物質は有害である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である」を引用し、機能性と安全性を考慮する上での量的概念の重要性を伝えた。

 

 以下は、出席した生徒さん44名の感想文です(高校の許可を得て、名前を伏せた形で転載)。私の力量不足で、講義内容が誤解されている部分もありますが、誤字も含めて記載内容はそのままにしてあります(村上による注釈を青で示しました)。

 

生徒1:今回の講座で、僕は、「すべての物質は有毒である、...薬と毒を区別するのは適切な量である。」というパラケルススの言葉に関心を持ちました。普段、無毒であると思っているものが過剰摂取すると、有毒になるというのはよくきくことなんですが、一般に有毒と考えられている一酸化炭素が摂取量によっては体に良い作用を与えるという逆パターンがあることにおどろき、興味を持ちました。これからは、一つの固定観念に縛られず、いろいろな側面から物事をみれるようになりたいと思います。

 

生徒2:今回の講義を聞いて、農学というと、植物などの研究をひたすらしているという地味なイメージだったけれど、わたしたちに深く関わっている食物のことや健康に関することが多くて、とても興味を持つことができました。難しい話が少し多かったけれど、生きているうちに多少のストレスを与えた方が良いということには驚きました。また、私たちの体にあるタンパク質は、たくさんの働きがあり、変性することもあるので、とても複雑だなと感じました。これから受験勉強もしていくけれど、今日のことを少しでも活かせたらいいなと思います。

 

生徒3:今回の講座のおかげで食品に対する見方が変わりました。そして、今回でてきたファイトケミカルは将来とても役立つ物なのだと感じました。そして、村上先生の体に害のある食品を食べることが体に良いという考え方が斬新で、素晴らしいなと思いました。今日は本当に良い経験ができました。ありがとうございました。

村上注:「体に害のある食品を食べることが体に良いという考え方」というと少し誤解を招くかも知れませんね。本来、体に良いと考えられてきた食品が実は体にとっては異物であり、それを摂取することで防御能が強化される。それが結果として、健康につながっているのではないか、という仮説レベルの話をしたつもりです。

 

生徒4:まず初めに、私たちは何のために食べるかという身近なことに関する疑問を持ち、そこから関連させて話をしてくださったので興味を持ちながら話を聞くことができました。少量のストレスが逆に健康に良いのかも知れないなど、考え方を広い範囲で持って話して下さり非常にわかりやすかったです。ありがとうございました。

 

生徒5:今、僕は進路のことでとても悩んでいる。色々な候補の学部の一つが農学部だったので、この機会を使って学ばせて頂きました。さすが大学、という感じで、研究内容がとても奥深く調べられていて、難しい言葉でチンプンカンプンの状態もありましたが、聴いていて苦ではありませんでした。一番印象に残ったのは、パラケルススさんの名言の''すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。''というものです。その前後に発表された研究内容からも、なるほどと納得される場面が多かったです。優柔不断なので、まだまだ進路を決められないのですが、今回のこの講義で自分が興味あるものの内の一つについて何かをつかめた気がするので、今後の進路決定の参考にさせて頂きます。来て下さってありがとうございました。

 

生徒6:初めに、何のために食事をするのか、というので、生きるためという理由だけでなく、愉しむためという理由があって、愉しんで食事をするというのも大事な事なんだと思いました。人間とサルが遺伝子上99%が一緒というのもびっくりしたのですが、動物でもサルでもないバナナと50%一緒というのは本当に驚きました。サルだと1%、バナナだと50%、人間との違いが何なのか気になりました。適度なストレスが健康にいいという事も印象に残りました。農学部は、今回のような食事の事だけじゃなくて、環境とか他にもあると知れてよかったです。

 

生徒7:まず、食べる理由を考えるところから驚いた。着眼点というのはとても大事なものだと思った。サプリメントなどがの話が一番印象に残っている。私はかなりそれらの情報をうのみにしてしまうので、これからはもっと疑っていきたい。有害のものも場合や量によれば良い影響をもたらすということで、何事も程々にということが、自分の生活に重なって耳が痛かった...ゲームは程々にします。得られたことが多かったです。ありがとうございました。

 

生徒8:今回の出張講義で農学部に決まったとき、農学部って何をしているのかよくわからなかったのですが、それが楽しみでした。今回の講義の最初に「食事は何のためにしているのか」という質問があり毎日当たり前のように食事をしているけど、きちんと意味があるのだなと思いました。農学部は自分が生活している中で、それ程かかわってないと講義を受けるまでは思っていました。でも、私が毎日している食事に関わっていて、前よりも農学部に興味がわきました。

 

生徒9:今回、体に良い食べ物、悪い食べ物を考える食品機能学ということで、京都大学の農学研究科、食品生物科学専攻の村上明さんからお話を聞きました。私は、農学の中でも植物や動物に興味があり、あまり食品関係は知っておらず、この講義を楽しみにしていました。植物から、健康でいるための食品などを研究していて、農学の中でも専攻が違えば、内容も違ってくる。自分のやりたいことをこの講義を活かして見つけていきたいと思いました。

 

生徒10:今回の話を聞く前は、体に良い食べ物は単純に栄養があったりして体に良い栄養を与えるもので体に悪い食べ物は体に悪い影響を与えるものだと思っていました。でも先生の話を聞いて、少しのストレスは逆に体に良い影響を与えるということを知り、私が考えたこともないことだったのですごくおもしろいと思いました。

 

生徒11:食品の機能について、素朴な疑問でも正確に答えるにはとても難しいと思った。また、ねずみなどを使った動物実験では発がんの抑制作用があるカロテンは、人間には効かない、逆に発がん制が上がったというのがとても印象に残った。とても小さな生物である線虫でもヒトとの遺伝子相同性が70%、バナナでさえも50%など生命の不思議を感じた。自分にストレスをかけた方が将来的に色んな面に役に立つというのは衝撃だった。ただ、運動においてもストレスにおいても過度になってしまうと体に悪いというのは当然だと思った。日本人の死因に多いがんの発がんを抑制するには、食品の栄養管理だけでなく、適度な運動や休養も大切だと思った。健康に長生きするために、食生活にも気をつかって意識していきたいと思った。

 

生徒12:今日は、食べ物についての知識を少しでも身に付けることができてよかったです。ファイトケミカルという単語は、僕の母が使っていたので聞いたことはあったのですが、それがどういったものなのかは知りませんでした。また、人とバナナの遺伝子の相同性が50%であることには驚きました。目で見ただけでは全く違う者でも、共通している部分があることにおもしろさを感じました。今回の講義でも最も驚いたことは、有毒な一酸化炭素でさえ、適切な量であれば体に良い影響を与えるということでした。後は、体には程よい負担をかけると、それをどうにかしようとして、体の機能が働いて強くなるということも勉強になりました。今日はありがとうございました。

 

生徒13:当たり前の行動である''食べる''ことについては、なぜ?と深く考えたことは今までありませんでした。植物と動物の違いは?と聞かれても、なかなか答えが出てこなかったりと、素朴な疑問にぱっと対応できなかったので、これから、当たり前だと思わず、なぜ?と考えるようにしようと思いました。一番驚いたのは、ヒトとバナナの遺伝子相同性が50%であるということです。形は全く違うのに、50%も遺伝子が同じとは全く思いつきませんでした。線虫とヒトとの遺伝子相同性70%も予想できませんでした。普段、普通に行っているものも実はストレッサーで、適度なストレスがあるほうが健康でいられるということは本当にそうだと思いました。今日はとても興味がわいた講義をありがとうございました。


生徒14:今日の講義で村上先生には食品機能学のさわり部分を教わりました。特に興味深かったのが、人間とサルの遺伝子が99%も同じであること、また、人間とバナナの遺伝子が50%も同じであるということです。見た目や機能も全く違う、サルやバナナがこれほど高い割合で人間と遺伝子が似ているということに驚きました。また、先生の講義の初めにおっしゃっていた「情報をうのみにするな」という言葉が印象に残っています。世の中で起こっている事象に常に疑っていくことが大事なのだと思いました。これからの学校生活もこの言葉を信条に過ごしたいと思います。

 

生徒15:「何のために食べるか」など、基本的なことから教えてもらったので、思ってたよりも分かりやすかったです。「なぜ動物性の食べ物を食べるよりも植物性の食べ物を食べた方が体に良いのか」という問題は私も一度考えたことがあったので、今回詳しく知れて良かったです。今回の講義で栄養についてもっと詳しく知りたいと思うようになったので機会があれば調べたいです。

 

生徒16:食べることに、生きるため、愉しむためという理由があるのは知っていたけど、生理機能というものがあるのは知らなかった。カレーに入っているターメリックはウコンと同じクルクミンを含んでいて、体に良いということに驚いた。βカロテンに発がんを防ぐよりはむしろ、発ガン性があると聞いて意外だったし、自分の知識も適当であいまいだと思った。ストレスを与えると強くなる''適応応答''は普段の生活にもあるので納得できた。バナナと私たちの遺伝子が50%も同じと聞いてなんとなくショックでした(笑)。''薬と毒を区別するのは適切な量である''という言葉は覚えておきたい。軽い負荷をかけると(ストレッサー)、かえってよい効果が得られるというのは、栄養だけでなく、努力とか(筋トレetc)にもいえることなので、常に''適度''を意識していきたい。
村上注:ターメリック=ウコン(正確には秋ウコン)ですね。

 

生徒17:今日の講義ではファイトケミカルという新しいものを知ることができ、新しい発見がたくさんありました。最初、いきなりシカ科の動物はどれでしょうという質問から始まり驚いたのですが、情報を鵜呑みにしてはいけないということがよくわかりました。私は、野菜は体に良いけれど肉はあまり食べすぎては体に良くないというのがなぜだろうと思っていました。その理由が動けない植物はストレスに適応しようとするからだと知り、なるほどと思いました。

 

生徒18:''We are what we eat.''の意味が面白いと思いました。考えてみると、確かに食べた物は自分の体になっているなあと納得しました。アジア=エエ加減が許される、米国=合理的、論理的というのを知って自分も「効くやろ~」とあまり考えずに食べているので文化の違いは面白いと思いました。動物実験で発がんが抑制できたのに人間には効果がなかったというのは驚きでした。自分で思いこんで効果がないのに食べ続けているものはたくさんあると思うので何がそうなのかを知りたいです。バナナと自分の遺伝子相同性が50%ということに一番驚きました。笑 自分がなにげなく生きていても、入浴や日光浴などからでもストレスをうけているのをはじめて知りました。なんでもやりすぎず適切な量をとることが一番健康であることを知り、気を付けてこれから生活していこうと思いました。

 

生徒19:私は理系生物選択だったので、今回の講義を農学選択したのですが、最初は食品機能学ってどんなものなんだろうという疑問がありました。ですが、講義を受けて、思っていた以上に単純な疑問(何のために食べるか?)から入っていたので、かなり身近な学問なんだなと思いました。ファイトケミカルについても、かなり有名で効いたことのある物質名で、「これがファイトケミカルなんだ」とびっくりしました。また、植物はどうして体にいいのかという根本的な疑問も、ストレスによる適応応答のためなんだと理解できたし、その適応応答は自分でも起こすことができると知って、実際にやってみようと思いました。軽い運動やカロリーカット、入浴までもが自身のストレスになっている、というのには驚きましたが、やっぱりよく言われるような「健康は生活から」という言葉の意味がようやくわかったような気がします。私は免疫系の研究を大学でしたいと思ってたのですが、食品機能学にもかなりかかわっているんだなとわかり、新しい道が見えた気がしました。本当に、出張講習をしていただきありがとうございました。


生徒20:「ファイトケミカル」は初めて聞いた言葉だったけれど、意外と身のまわりにあり、食事にも関係するものだということを知れたので良かったです。講義を聞いて、「健康食品を食べればいいというわけじゃない」というのが印象に残っています。テレビのCMなどでも、「この栄養素が通常の〇〇倍!」というのをよく見ますが、実際にそうだとしても、それがかならずしも効果があるわけではないんだな...と思いました。大事なのは、それを適度な量だけ摂取すること、また、健康食品に頼りすぎないことだと分かったので良かったです。「ある程度のストレスがあったほうがいい」というのも聞きました。普段の生活でもストレスはある程度は必要と言われるけれど、食事に関しても、ストレスがあった方がいいという意見は今までに聞いたことがなかったので、そういう考えからもあるんだと感心しました。

村上注:「そういう考えからもあるんだ」→この表現は的確ですね。私が講義でしゃべったことはあくまで私たちの研究に基づいた見解であり、まだ絶対的なものではありませんし、異論を唱える研究者もいることでしょう。科学ではこうした状況が常であり、それぞれの意見が正しいかどうかを、実験という手段で検証していくのが普通です。

 

生徒21:講座名から、体に絶対必要な栄養素は~のような話になると思っていたがその逆でファイトケミカルという体に絶対必要ではないけれど体に良い影響を与える物質を知らなかったというものあったので興味を持って講義を受けることができた。講義の内容ももちろんそうだが、先生が一番最初におっしゃった「情報を鵜呑みにするな」という言葉が強く印象に残っている。科学に絶対はないのでこの言葉はこれからの人生などにおいても大切であると感じた。パワーポイントに使われていた図や写真がシュールでおもしろかった。

 

生徒22:特保の食品の健康への影響や効果は病気を治したりするものではなく、それほど効果のないことに驚きました。また、ファイトケミカルについても、体にいいものというより、ストレッサーとして働き、HSPを増加させるという、どちらかといえば毒物に近い物質だとは思いませんでした。物質的にも、衛生的にも不自由ない日本人が海外の水を飲み、体調を崩すとよく聞きますが、ストレスが少なすぎるために多少汚れた環境に適応できていないからなのかと納得しました。人間の適応方法は筋肉も免疫もすべて共通していて面白かったです。

村上注:海外の水の例えはなかなか面白いですね。可能性としてはあると思います。衛生状態の悪かった昔の日本では常に微生物や寄生虫に晒されていたために現在のようにアレルギーが多くはなかったと主張する研究者もいます。いずれにせよ、環境に適応することが自然淘汰されずに生き残るための絶対的条件ですから、それなりに複雑で精緻なメカニズムが配備されているのだと思います。

 

生徒23:食べ物についての話だったので、とても興味を持ちました。植物はどうして健康に良いのか。ビタミンなどの栄養素がたくさん含まれているからと今まで漠然とした答えしか持っていませんでした。そこからもう一歩深く進んだことを今日学ぶことができたと思います。植物は動物とちがい動くことができず、その場で適応して生きていかないといけません。そのときのストレスからより強い物質が生み出され、それが人の健康にいいのだということを聞いてなるほどなと思いました。過度なストレスは身体に悪いけど、適度なストレスは身体に良いと言われているのは、こういう仕組みのためなのかと思いました。今日の話を聞いて、ファイトケミカルというものについて、もっと深く知りたいと思いました。無限の可能性がある、と聞いたので、これからどのようになっていくのか興味があります。個人的に調べてみようかなと思います。とても面白いお話でした。ありがとうございます。

 

生徒24:以前から健康について関心があり、食品から体にいい栄養をとることに興味を持っていました。僕が持っていた健康にいい食品のイメージはタンパク質やビタミンなどの栄養素という点からのみで、ファイトケミカルというものはまったく知りませんでした。今回の講義ではファイトケミカルについて基礎知識から教えて頂き、正しい知識をもつことができたように思います。ゼルンボンの実験やタンパク質の変性など様々な話をしていただきましたが、個人的にはファイトケミカルを意識的に摂る必要はないという結論が印象深かったです。現時点ではまだ詳しいことがわかってないこともあるようですが、実際に研究されている先生の話しで、やはり結論を出すには、しっかりとした知識が必要なんだなと思いました。また、長い間研究すると効果がある、という結論にかたよってしまうと思いますが、そこで感情よりもデータ優先で結論を出す決断力も大切だなと思いました。

村上注:「ファイトケミカルを意識的に摂る必要はないという結論」は「ファイトケミカルをサプリメントなどから意識的に摂る必要はないという結論」という意図でしゃべったつもりです。「感情よりもデータ優先で結論を出す決断力」という表現はその通りで、自分の仮説にこだわりすぎて客観的にデータを読むことができてない部分もときおりあると思います。思ったようなデータがでないことは常であり、深刻に悩んでいるのが研究者の日常だとさえ言えるかも知れませんね。

 

生徒25:私は、。今回の講義でずっと不思議に思ったいたことを理解することができました。小さいころから「魚を食べると頭がよくなる」と聞いたことがありましたが、DHA・EPAが魚に含まれることによって記憶がよくなると知り、本当だったんだと思いました。微量で栄養があまりないけれど健康によい食品があるのかなと思っていましたが、緑茶やブルーベリー、カレーなど以外に身近にあるものだったので驚きました。人間と猿は似ていると言われますが、遺伝子相同性が99%とほぼ同じであり、そして人間とバナナは50%であることに一番驚きました。熱ショックタンパク質によってネズミだけでなく人間にも効果が出るのかと疑問に思いました。私は、食べることが好きでたくさん食べてしまうですが、食事制限をしない猿と食事制限をする猿とでは寿命も違うし見ためも違うので私も食事を考えてとろうと思いました。

村上注:「魚を食べると頭がよくなる」が事実かどうかはまだ結論が出ていません。確かに、魚油中のDHA・EPAをネズミなどに投与すると様々な良い効果がでるようですが、それが人間にもあてはまるかどうかは明確にはなっていないのが現状です。

 

生徒26:体に良い食べ物(=健康食品)はとれば大丈夫、というような私がいままであたり前だと考えていたことも本当は違うのかもしれない、と考えさせられる講義でした。講義の始め、先生から質問を受けたとき私は、4つの選択しの中のどれかなんだ、と考えてなんとなく答えてしまいましたが、講義を聞いて''鵜呑み''にしない、という意味が分かったような気がしました。本当にありがとうございました。

 

生徒27:今回の講義はとても興味深いものでした。食品の役割は五大栄養素の摂取だけだと思っていましたが、初めて聞くファイトケミカルという物質が人体に良い影響を与える可能性があると知って驚きました。また、何事にも適度な負荷やストレスがある方が強くなるというのが細胞などの小さい単位でも効果があることも初耳でした。体に悪い影響も及ぼし得るファイトケミカルですが、適切量が解明されていくことで、今後、医療などにも役に立つと思いました。長い期間が必要ということだったのですが、今から研究を始めて自分が生きている間に成果が出たらとてもうれしいことだと思いました。ストレスが体に良い影響を与える場合もあるということは、体に良い影響を与える物質は無限に存在すると思いました。通常はよくないと考えられるものでも良い場合があるというのは、そもそも、そういった物質、また適量を見つけるのはとても難しいと思いました。こういった研究が、自分の目指す栄養学の発展につながってほしいと感じました。

村上注:講義の内容を深く理解できているだけでなく、それを受けての考察力が素晴らしいですね。栄養学を目指しているということですが、近い将来、大学での研究を通して活躍されることを願っています。

 

生徒28:私は、今回の講義を聞くまではファイトケミカルという言葉を聞いたことがなかったけど、講義を聞いて、ファイトケミカルは体にいいものだということを知ることができました。私はストレスは体に悪いものだと思っていたけど、逆にストレスはかけることで体にいい効果があると知って、少し驚きました。食べすぎたり、運動しなっかりしただけで体には大きな影響が出てくるので、これから食べる量に気をつけないといけないなあと思いました。今回の講義を聞いて、今まで知らなかったことや思っていたことと違っていたことを知ることができたので良かったです。ありがとうございました。

 

生徒29:今回の話を聞いて、とてもおどろきました。それは、人間の遺伝子とバナナの遺伝子が半分しか変わらないことです。見た目は全く違うのに、中身は一緒っていうのが、とても印象的でした。あとは、薬と毒を区別するのは、適切な量といった、パラケルススの言葉がとても心に残りました。そう考えるとそうだなあと思いました。インフルエンザの予防接種も先に抗体をつけておくのに、少量のインフルエンザウイルスを入れていました。そして村上さんが言った、「情報を鵜呑みにしない、受け身にならない」ということに良いなと思いました。これからは、僕もそういうことを考えていって過ごしたいと思います。

 

生徒30:食品すべてが体に良い影響を与えるのではなく、毒性を持っていたり、摂取しすぎると害になるようなものがあると知った。「ファイトケミカル」という初めて聞く言葉が今回のキーワードだったけど、それがどういう物で体にどんな効果をもたらすのかということを学んだ。食事において気をつけなければならないことがいくつかあった。「腹八分目」という昔から言われてきたことがとても大切だったり、健康だと思われている物質が逆にストレッサーになったりすることだ。これから食事に気をつけて生活していきたい。

 

生徒31:講義のプリントに「体に悪いから体に良い」と書いてあったのを読んで、どんな内容なのかとても疑問に思ってました。講義が終わった今、その意味がよくわかりました。初めて聞くような話ばかりで興味を持つことができました。食品と動物には切っても切れない関係がありますが、まだ解明できていないことがたくさんあると思います。それを研究することはとても面白そうだと感じました!本日は貴重なお話をしていただきありがとうございました。

 

生徒32:進路を食品関連について考えている私にとって、今日の村上先生の授業は、とても楽しみで充実したものでした。でも予想していたのとは違い、食品機能学とは食品によって体を調節することを。つまり'We are what we eat.'(私たちは食べた物でできている)ということでした。まず何のために食べるかという疑問から始まり、その三次機能である生理的な体にいいのかということについて説明して下さりました。ファイトケミカルが病気の標的分子を探し悪化するのを防いだりします。後、よく健康食品はあまり体によくないということに耳にしたりしますが、そのことについても話がありました。一般の人は「なんとなく体にいい」と思い購入するが、やはり効果が見られないことが多いそうです。これは動物実験での効果が人間にもあらわれるわけではないからだそうで、やっぱり体のつくり、遺伝子の違いは大きいですね。化学ってむずかしいですね!

 

生徒33:私はたべることと健康について興味があったのでこの講座を選択しました。非栄養素に健康への効果があるかどうかの研究をされていると聞いて意外だと思いました。健康といったらやはりビタミンなどを思い浮かべていたからです。有害なものでも少し与えれば逆に良い作用があるというのはとても興味深いと思いました。ファイトケミカルという言葉ははじめて聞きましたが、とてもおもしろいものだと思いました。情報がたくさんある中でそれをうのみにせず、自分で考えることが大切というのはとても印象に残ります。今日はお忙しい中、貴重なお話をして頂いてありがとうございました。

 

生徒34:今まで食べる意味なんて考えたことがなかったので、意味があるなんて驚きました。''食品機能学''という学部があるのは知りませんでした。「私たちは食べた物でできている」という言葉は本当にその通りだと思いました。私は栄養のほうに進みたいんですけど、違う視点で体のことを物質から考えていてとても新鮮でした。よく野菜の方が栄養があって体に良いと言われていた理由が、植物が生き残るためにできたファイトケミカルのおかげで人間のことなどどうでもいいというところがおもしろかったです。毒も適量であれば体に良いといのはびっくりしました。物質から体のことを考えるのもいいなあと思いました。

村上注:「''食品機能学''という学部」→食品機能学というのは研究分野の名称であり、学部としては私は農学部に所属しています。また、食品機能学が栄養学と違うところは、仰る通り、どちらかと言うと物質目線で研究を行うことです。もちろん、どちらも最終的には物質と体の相互作用を研究するわけですが、体目線の栄養学との対比は面白いですね。もちろん、どちらも重要です。

 

生徒35:食品という私達が生きるための必要不可欠なテーマをパワーポイントでとてもわかりやすかったです。初めて聞く難しそうな専門用語も例とかイラストで納得して聞けました。後、生物で習ったことがでてきたりして授業が役立っていることがわかって嬉しかったです。講義の始めの方に「情報を鵜呑みにしてはならない」とあったのが印象に残っています。周りからたくさん入ってくる情報をこれからたくさん見分けていかないといけないと思うので、きちんと見分けて正しい選択をしていきたいです。栄養に興味があったので、とても興味深いお話をありがとうございました。

 

生徒36:今日、話を聞いて、大学の講義はこんな感じだっていうのが分かりましたが、これでも難しかったです。農学部に持ってた印象とは全然違って、生命科学とか、とても興味深い分野もあることが分かってよかったです。とても生物的なことがでてきて非常におもしろかったです。身近な「食べること」について、おもしろい観点から教えて頂いて楽しかったです。ずっとアントシアニンが栄養素だと思っていたので違うかったのがちょっとおどろきました。将来的に知っておいて得な内容だったのでもう少し調べてみようと思いました。

 

生徒37:この講座に一番興味があった。これからの人生において何かプラスになることを得ようと思って臨んだ。まず、授業を受けるとき、情報を得ることに大切なことは情報を鵜呑みにせず、自分で大変して感じることであると学んだ。この講義で一番印象に残ったことは、適度なストレスが体に良い影響を与えるということである。そう考えると体に良いとされる運動、入浴などはそれに当てはまる。「すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。」という言葉に納得した。何事も「適度」が大切なのだ。しかし、きっと今日の講義も鵜呑みにしてはいけない。自分の経験を踏まえて慎重に判断していこうと思う。

村上注:「きっと今日の講義も鵜呑みにしてはいけない」→その通りです!!(実際に、今回の講義の内容は仮説的な話が含まれているので、それに対して異議を唱える研究者もいるはずです)。大学の先生の講義ということで、なんでも「なるほど、そうか」と感じてしまうかも知れませんが、それでは進歩はありません。また、鵜呑みにせずに話を聞くという姿勢は、講義を聞く際の集中力を高める、という目的においても効果的です。

 

生徒38:食品化学というと、体に必ず必要な物質や、健康食品が体に作用する仕組みなどのイメージだったのだが、ファイトケミカルという、体に栄養となる物質ではないのに健康効果のある物質の話で食品化学に抱いていたイメージが変わった。そもそも、ファイトケミカルのような物質がこの世に存在していることすら知らなかった。食べ物は、すべて体中に取り込まれるので、何かしら体の栄養となると思っていたので、ファイトケミカルのような物質をもった知りたいと思った。ストレスに対抗するための武器が、たまたま人間にとって良い作用をするということに、植物の生き延びる技術の恩恵を受けているのだと感じた。薬剤とファイトケミカルの違いなども、図で表すことでよく理解でき、ためになった。

村上注:予め食品化学の知識がある程度あったので、講義を良く理解できたようですね。「食べ物は、すべて体中に取り込まれるので、何かしら体の栄養となると思っていた」→そう思いますよね。薬剤やサプリとは違い、野菜や果物は非常にたくさんの物質を含んでいます。ヒトはそこから栄養素だけを選択して食べるわけには行かず、取りあえずは丸ごと口から入ってきます。しかし、その後、消化管では体に必要な栄養素は積極的に取り入れ、毒物(例えば農薬)やファイトケミカルは排除しようとします。こうしたメカニズムが正常に機能しないと、吸収される栄養素は減少し、体内に毒物が蓄積し、生体の恒常性が危うくなります。凄い仕組みですね!

 

生徒39:今日のこの村上先生の講義を聞いて大学の研究では常識とされることでも疑いの目を持ってみて、そのことを科学的に調べるという事がわかりました。私の中では猛毒は猛毒、薬は薬だと思っていました。まさか一酸化炭素やジメチルスルフォキシドが体に良いことがあるなど想像していませんでした。そして、今までの自分を振り返ると、情報を鵜呑みにしていた気がしました。今後は「科学の目」を持って情報に向き合うようにしたいと思います。また、今後、大学に進学できたら、研究をして多くの問題に直面することがあると思います。その時は今日のこの話を思い出して常識にとらわれず、向き合っていきたいと思います。

 

生徒40:今回はとても貴重な講義を聞かせていただきました。最初から食品の話をしていただくとおもってたら情報について教えていただきとても学ぶことが多いお話でした。最初の''We are what we eat.''の意味がわからなくて少し心が折れそうになりました。英語をもう少し勉強します。中身は少し本で読んだことのある内容が多かったのですっと入って来ました。おもしろかったです。

 

生徒41:進路がはっきりと決まっている私にとってはとてもいい経験になった。私は、農学部は農業のことが中心なんだろうと思っていたため、よかった。私は試合の前の日など、ヒートショックプロテイン効果を活用している。方法だけで、実際にはどうしてそのような結果になるのかわかっていなかった。ネズミが30年も生きていたというのにはとても驚いた。健康でいるためのことで知らないこと、また、分かっていないことがたくさんあるんだと思った。人の健康のことなのでとても興味がわいた。がんは日本でとても多い病気で、それを治すことができるものを発見することができると思うととても凄いと思う。適切な量を考えて、食事を摂取していきたい。また、いろんな人にもそうすることが大切だと教えたいと思った。いろいろな国や文化で伝えられている食べ物の効果もいろいろと調べて見たい。

村上注:「私は試合の前の日など、ヒートショックプロテイン効果を活用している。」→高温での入浴効果について質問してくれた生徒さんかな?実際にこうした健康法を実践している人は周りにはいないので、効果があるのかないのか、非常に気になりますね。

 

生徒42:私は今まで体に良い食べ物と言われているものは、とりあえずたくさん摂取すれば良いと思っていました。しかし、今日の話を聞いて、ファイトケミカルという体に良いと言われているものであっても、摂取の仕方によって、影響の与え方が変わるということがわかりました。だから、これからは腹八分目を心がけ、適度なストレスの運動をしたいと思いました。また、人間とバナナの遺伝子が50%も同じということにとても衝撃を受けました。

 

生徒43:体に良いと言われている成分が実は効果がなかったり、逆に毒のあるものも量や条件によっては、そうではないというのははじめて知りました。健康食品も、宣伝で大げさに広めていても実際に効果があるのかどうかは別なのだと思いました。あまりそういうものには頼らないようにしたいと思いました。又、マウスで実験しても人に効かなければ意味がないからファイトケミカルを実用化するのは難しいんだろうなと思いました。結局は、バランスよく食べて運動するのが一番健康に良いことだと思うので、食生活には気を付けたい地です。

 

生徒44:私が今回の講座で一番印象に残っている話は適度なストレス、苦労をすべきだということです。ストレス、苦労と聞くと悪いイメージしかなかったけれど今回の話を聞き、少し良いイメージに変わりました。これから先、もっと苦労して生きていきたいと思います。また、バナナと人間は50%も遺伝子が一致すると聞き驚きました。バナナはしゃべらないし動かないのになぜこれまで一致するのか疑問に思いました!ありがとうございました。

 

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感想文を読んで

 

 まず初めに「情報を鵜呑みにしない」ことを強調し、「そもそも、何のために食べているの?」と問いかけることで、ある程度の「ツカミ効果」が得られたと思っています。

 

 高校生にとっては「栄養素だけが体に良い物質」という認識が当たり前で、それに加えて野菜や果物にはファイトケミカルという生理機能性成分が含まれている事実は新鮮だったようです。

 

 それに加えて、「ファイトケミカルは体に悪いから体に良い」という禅問答のような仮説を説明したわけですから、生徒さんは混乱するかなあ、と思ってたのですが、概ね杞憂に終わりました。おそらく、適度なストレス負荷とそれによって恩恵が得られる例として運動などの具体例挙げたことが効果的だったのだと思います。

 

 それにしても生徒37の「この講義も鵜呑みにしてはいけない」というコメントにはしびれましたね。そう言えば、講義の最後で、代表の生徒さんが講義の内容をまとめ、またそれに止まらず自分の考えを淀みなくしっかりと述べていたのが非常に印象的でした。この生徒さんが37番なのか、私にはわかりませんが、高校の後輩としてとても誇らしく感じました。

 

 

■兵庫高校生訪問(09/12/14、※訪問は08/27/14)

 

 兵庫県立兵庫高等学校の1,2年生の生徒さん12名と先生1名が研究室を訪問しました。プログラムの内容についてはこれまでと同様ですが、生徒さんのアンケート結果を転載しておきます。

 

【無記名アンケート回答】

 

1.今回の研究室見学を希望した理由、または目的を教えて下さい。

 

・大学がどんな所なのかを知るため

・自分の将来の夢を実際の研究内容や現状を知って具体化させていき、来年1年間貫ける強い思いをもつきっかけをつくるため

・京都大学に対する憧れがあるから

・「農学部」に興味があり、どのようなことをしているのかを知りたかったから

・将来、食品関係の仕事に就きたいと思っているので、「食品生物科学」という学科名に惹かれたからです

・進路の文理選択の参考になるかも知れないと思ったから

・大学の雰囲気を体験してみたかったから

・研究室という生の現場をみてみたかったから

・京都大学のオープンキャンパスを見逃がしたため

・将来のことについて考えるのにいい機会になるかなあと思ったし、大学生活について知りたいなあと思ったから

・農学部のイメージがつかめなかったのでこの機会に是非、農学部がどんな勉強をしていて何を学べるのか知りたいと思ったから

・あまり将来の進路について、決まっておらず、今回の研究室見学がその参考になると思い参加しました

・農学部に興味があったため

・京都大学を見てみたかったから

・農学部を志望しているので、一度どういう所か見てみたかったから

・京都大学がどんな所で、どんな研究室があるか見てみたかったから

・志望学部ではないが、普段身近な「食品」についての研究というものに興味を持ち、様々な知識を得たいと思った

 

2.今日の内容で一番、印象に残った事とその理由を教えて下さい(いくつ書いてくれても構いません)。

 

・学生が''人間''だったこと。言い過ぎかも知れませんが、私は今まで、東大、京大に行くような人は、勉強が大好きであまり遊ばないと思っていました。しかし今回の京大の学生の方々とお話できて、「めりはり」の凄さに驚きました。ついさっきまで、しょうもない会話をしていたのに、研究や将来に関する話をされているときはすごく真剣で、とても良い刺激になりました

・大学生の生活(思っていたよりもいそがしくなさそうだったから)

・食堂(ものすごく種類が豊富で、とてもおいしかった)

・実験(知らない器具や機械を使ったから)

・今まで研究に対して「いつでも成功できるわけではないのに、どうして研究なんてできるんだろう」と思ってました。でも、先生や大学院生の話を聞いていると、成功することだけがいいんじゃなくて、それまでの過程も大切なんだと思いました。中でも、「発見したときは、世界で自分一人がその事実を知っている瞬間ができる」という言葉が心に残りました

・施設見学(実際に大学(院)で使う実験室などを見れたから)

・実験(見たことのない器具で実験ができたから)

・食堂で勉強や議論する人がたくさんいたこと

・研究室が思ったよりせまかったこと

・大学院生の話。私の中で京大の人たちはずっと勉強しているじめーじがあって、ソフトボール大会とか旅行とかしているイメージがなかったから

・フリートークでの村上先生の言葉←悩んでいたことに真剣に答えて下さり、答えがみつかった

・高校にはない研究器具がたくさんあり、それを見たり、実際に触れてみたりすることがとても貴重な経験になりました

・マウスやラットが見れたこと(テレビや本でしかみたことなかったため)

・大学院生や先生のお話が聞けたこと(本人の話が聞けたから)

・学食を食べれたこと(初めて食べたから)

・研究室によって、様々な環境や設備がしっかり整っていて、十分な研究ができそうだった

・研究室の中で実験したこと。自分の見たことのないような機材を間近で見たり使わせてもらうことができたから

・やはりβカロテンの実験。見たことない器具がたくさんあり、どうやって駆使すればいいのかという気持ちになった。大学ならではの環境に感動した

 

3.もっと、こんなことが知りたかった、やりたかった、見たかった、聞きたかったということがあれば教えて下さい(どうぞ遠慮なく)。

 

・京都大学の学校生活(学校行事、イベントなど)

・卒業後の進路

・''農''に関する社会の現状と京大の対策(?)

・もう少し京大を歩いて見たかったです

・見学や実験のときに写真を撮りたかったです

・検量線の作成方法が知りたかった

・もっと大学キャンパスを散策してみたかった

・マウスでの実験を見てみたかった

・あまり専門的なことを聞けなかったので、どのような研究をしているかなど、もっと詳しく知りたかったです

・もう少し、研究室やキャンパス中をまわりたかった

・もう少し多くの研究室を見学したかったです

・色々な機材をもっと紹介して欲しかったです

・ネズミを手の上に乗せたかったですね(笑)

 

4.その他に何かあればご自由にお書きください。

 

・ありがとうございました!

・今日はすごく楽しくて京大の印象が大きく変わりました!

・今回、京大の農学部さんに見学させていただき、ありがとうございました。二学期からは、行きたい大学が見つかったときに行けるよう、苦手教科を主に復習していきたいと思います!大学院生の方、色々とご迷惑をおかけしました(~_~;)

・京大博物館の植生コーナーがおもしろかったです

・今日は貴重な経験を与えて下さり、ありがとうございました

・京都大学に行きたくなりました!

・合格した方々も入った当初は明確な将来の進路が決まっていた訳でなはないと知って、自分もそうなので、まだ焦らなくても大丈夫だと思って安心しました

・いい体験をさせて頂きました。有難うございました。

・研究がんばって下さい!

 

【感想文(記名)】

 

生徒1「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

私がこの研究室訪問に参加した理由は、大学の雰囲気を自分で感じてみたかったからです。私が思う大学のキャンパスは、大きな建物が立ち並び、広い道で学生が教科書を持って教室を移動しているイメージでした。しかし、実際に行ってみて感じたことは、自転車で建物の間を移動し、あまり人がいませんでした。夏休みということもあるかも知れませんが、道を歩く人がいなかったことにとても驚きました。研究室をも、もっと広く、様々な大きな機械が壁の周りに立ち並び、一人一人に仕切られた実験ブースがあると思ってましたが、こまごまとした小さな機械を多く、実験ブースも思ったより狭く、頭上にビーカーなどの入った棚があることが意外に思いました。なによりも、モニターが小さなブラウン管だったことが、今日の一番の驚きです。学食は、とても明るく、広く、居心地のいい空間でした。勉強している人や、何人かで討論している人などがいて、カフェのようでした。この研究室訪問で、大学という場所を知ることができて、よい経験になりました。ありがとうございました。

 

生徒2「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

京大に行ってまず驚いたのはその敷地でした。想像していたよりもずっと大きかったのですが、京大の生徒が約23000人らしいので少し納得しました。村上先生に案内されて、当日のプログラムを教えてもらい、大学の仕組みや研究の順序などを聴きました。研究においてもっとも大切なことは計画で、それをしっかりやってないと必ず失敗すると言われました。大学院生の話で心に残っているのは「考えること」の大切さです。どんな些細なことでも興味を向けて、なぜ?と思ったことを調べて実行する、そうやって知識を増やして行く、そうすれば的確な判断や応用がきくから他のことにも活かせる。それができる人ほど研究者に向いているんだろうなと思いました。僕自身、計画性も文章力も好奇心もほとんどの能力がまだまだ低くて大学生になってなにもできないだろうけど、院生の人たちの話を見聞きして、あの人たちみたいになりたい、と思いました。

 

生徒3「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

私は将来、食品関係の仕事がしたいと思っています。なので「食品生物科学」という名前に惹かれ、この研究室訪問に参加しました。京大を訪問する前は、正直、「頭のいい人が集まって、勉強ばかりしてそう。」という偏見がありました。でも実際に行ってみると、京大は私の思っていたような場所ではありませんでした。ゆったりとしていて校風が自由だったので、初めて行ったにも関わらず兵庫高校に近いものを感じました。大学生も、ラフな人が多かったです。私はこの訪問で、研究の見方が変わりました。今までは、「いつでも正しい答えが出るわけじゃないのに、研究のどこがいいのか。」というマイナスのイメージを持っていました。ですが、「発見したときに達成感があり、世界で自分一人だけがそのことを知っているという瞬間があるのがいい。」と大学生の嬉しそうな答える姿を見て、成果がでることだけじゃなく、それまでの過程が大切で、進んで楽しくやることも研究には必要なことだな、と感じました。私にとっては雲の上の存在だと思っていた場所に向けて、貴重な体験ができたので良かったです。

 

生徒4「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

今回、京大の研究室訪問に参加させて頂き、今までぼんやりとしていた「大学」というものがはっきりとしたイメージに変わりました。実際に京大と訪れ、現役大学院生の方からも話をうかがいました。そして、普段大学生が使っている機器を用いて実験を行いました。そのことにより、これまで知ることのなかった大学生の日々の生活に触れることができました。その中でも現役大学院生の話は、私にとってとても印象深いものでした。その人たちは今の私たちと同じような高校生活を送っていました。しかし今では勉強だけでなく大学院で時間に余裕ができたことで、様々なことを考えられるようになったという話が興味深く思いました。それは、普段自分が生活している時に「少しでも気になったことはとことん追究してみる」ということでした。少し気になったことでも考え抜き、納得するまで調べるだけでも知識の量は増え、何より世の中がとてもおもしろく感じられるようになると思います。だから私も日頃から「深く考える」ということを心がけたいと思います。また自分も大学へ進んだ時には、自分なりの考えを持って堂々と生きて行けるような人になっていたいと思います。今回の訪問はこれから生きる上での大切な物事の考え方をしることができた、私にとって貴重なものとなりました。

 

生徒5「京大農学部研究室訪問感想文」

今回初めて京都大学農学部を訪問して私が感じたことは、充実しているということです。研究施設やシステムはもちろん、先生方の私たちを引きつける研究内容やご指導、学生の方々の積極さなど、様々な面で充実していました。そして高校との違いに圧倒されたとともに、大学への憧れが生まれました。また、実際に大学を体感できたことで大学が夢の世界のものでないことに改めて気づき、絶対に行きたいという強い意志を持ちました。初めて扱う実験器具を見たりマウスや冷蔵庫のような研究室を見学したことで、自分の研究を自分なりのアプローチで好きなように組み立てられるんだろうなと思ったし、挑戦してみたいとも思いました。私は小さい頃から将来の夢がずっと変わってない分、夢としてとらえている部分が多く、実際にそれに向かって頑張っている実感がありませんでした。しかし村上先生や院生の方々が自分の好きなことをしておられるのをみて、大学は自分次第で何でも出来ることを知りました。そして自分の夢は、叶えられないものではない事に気づき、夢から目標に近づいた気がします。最後に、私がこの研究室訪問で思ったことは、好きなことをするのはしんどいことがあっても楽しいということです。今回の刺激を糧にこれからがんばっていきたいです。

 

生徒6「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

私は研究室訪問に行くまでは京大の人たちはみんなずっと勉強しているというイメージを持っていたので、研究室訪問での大学院生の話の中で旅行に行ったり、サークルで飲み会をしたり楽しんでいる人もいると知って、少し驚きました。大学生活についての話を聞いているととても楽しそうで京大って本当に自由な所なんだなあ、兵庫高校と似ているところがあるのかなあ、と思いました。大学院生の人が考えることは大切で考えたら悩んでいることもなくなるのではないかと言っていて、そうかも知れないなあと思いました。私は今まで疑問を持って考えるということをあまりしたことがなかったので、これからは何でも疑問を持って考えてみようと思いました。今回研究室訪問に行って、知らなかったことについて知ることができ、実際に実験もさせてもらえてとてもいい経験になりました。

 

生徒7「京大ですよ、京大。」

京都大学ですよ!当麻が行ってた!(spec観てた人にしかわからないネタですいません笑)。前置きはこのくらいにして...今年の夏はベトナムやら東京やら色々行かせてもらい、この度、研究室訪問もどちらも行かせて頂きました。やっぱり京大って聞くと、雲の上の存在!みたいに自分の世界とかけ離れたような気がしていました。でも、今回の訪問で少し親近感が湧きました。どういうところに親近感が湧いたかというと、兵庫高校と同じように『自由』というところです。大学院生の方々からプレゼンしていただき、生の声も聞けました。そのときの雰囲気が何処か兵庫を感じさせるようで、好きになりました。研究室訪問では、教科書などでしか見たことが無かったマウスやラットを見ることができました。初めて使う実験器具を使ったりしました。そして、農学部というものを改めて知ることが出来た気がします。京都大学で感じたことの1/100も伝えられていないと思いますが、一番言いたいのはとても良い雰囲気だったということです。今回の訪問で京都大学に行きたくなってしまったので、勉強もっと頑張ります...泣。あっ、言うのを忘れてましたが、学食とても美味しかったです!笑

 

生徒8「京都大学大学院農学研究科研究室訪問」

今回の研究室訪問に参加する前は大学というものにあまり実感がなく、どの大学もおなじようなものだろうと考えていました。しかし、私が行った他の大学と比較すると、やはりそれぞれの大学に良いところがあり、自分に合った大学選びをすることが大切なのだなと思うことができました。学力が足りていないという理由で自分の行きたい大学に行けないということにはなりたくないので、しっかり勉強しなければならないと強く思いました。今回は貴重な体験を本当にありがとうございました。

 

生徒9「研究室訪問」

今回の研究室訪問で、京都大学がどんなところなのかや、研究室の中はどうなっているのかを知ることができました。特に研究室の中には、自分の見たことのないような実験器具がたくさんあって、見ているだけでも十分に楽しむことができました。最後の質問の時間に、僕の質問にも丁寧に答えて下さり、大学のことをより詳しく知ることができました。本当に有難うございました。

 

生徒10「研究室訪問」

今回、志望学部でない農学部研究室に訪問させて頂いた。大学院生の生活や研究のプロセスについて非常に教養になるお話を聴かせてもらったと思うので、これからの参考にしていきたい。また、実験もさせて頂き、実験室の様々な器具はなかなか見られないものばかりで、とても環境が整っていると感じた。この訪問で大学の雰囲気をよく感じ取れたと思い、自分の将来を考える良い機会になった。

 

 

■兵庫高校で出張講義(02/13/14、※講義は12/20/13実施)

 

講義タイトル「体に良い食べ物、悪い食べ物を考える食品機能学」

内容は昨年の下記(4)とほぼ同じです。

 

【概要】

・植物に含まれる「ファイトケミカル」が健康成分として注目されている(具体例:カテキン、アントシアニン)

・しかしファイトケミカルは必ずしも「カラダに優しい」成分ではない(βカロテンを投与した結果、逆に肺がんの発生率が上がった臨床例などを例に挙げた)

・また逆に、毒性ガスとして知られる一酸化炭素も適切な低濃度であれば、抗酸化性や抗炎症性など良い機能性も見られる意外な事実を紹介した

・約500年前の医師・錬金術師パラケルススの言葉「すべての物質は有害である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である」を引用し、機能性と安全性を考慮する上での量的概念の重要性を伝えた

 

 以下は、出席した生徒さん45名全員の感想文(高校の許可を得て、名前を伏せた形で転載)とそれに対する私の簡単なコメントです。私の力量不足で、講義内容が誤解されている部分もありますが、誤字も含めて記載内容はそのままにしてあります。

 

生徒1:健康成分の多くは本当は体にストレスを与えている物質であるということを知りました。適度なストレスを与えることによって、普通の人が筋肉トレーニングをしてきたえられた体になるように、細胞がそのストレスに耐えれるようになるのだそうです。実はそのことを昔のパラケルススという医者は1500年ごろ、すでに分かっていたそうです。「すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。」と言ったそうです。他にも「酒は百薬の長」、「若い頃の苦労は買ってでもせよ」など、昔から言われていたことがことわざとして残っているそうです。植物由来の食物の方が動物由来の肉などの食物より、体によいというのはよく知られていることですが、それは植物と動物のストレスに対する処理の仕方の違いによるものだそうです。植物はその場から動くことができないので、土の中の細菌や害虫などに自分の力で対処するので、それを食べた結果、体の中の悪いものを減らしてくれるのだそうです。基本的に動物は植物を食べて成長するので、植物が持つ化学物質以外で動物が持つ化学物質はごく微量だそうです。今回の授業で初めて知ることがたくさんあって、とてもおもしろかったです。

村上:細部は別として概要はよく把握できています。有意義な時間だったようで何よりです。全ての生物はストレスに対抗する何らかの術を持っていますが、それぞれに共通している部分、違っている部分があって面白いですよ。

 

生徒2:現在の農学部は農学だけでなく、薬学・医学など他分野に参画してきている。食素材の活性成分を見つけたり、動物実験で効果を発見することもあるが、メカニズムを解析することが主な活動である。また、「食べる」目的は栄養を摂取するだけでなく、「愉しむこと」も重要な要素であることになるほどと思った。野菜などの植物系の食品は体に良く、肉などの動物系の食品は体に良くないイメージがあるのはなぜかという単純だが分かりにくい問いがあった。それは、動物は移動できるが植物は移動できないという意外な答えだった。外敵からのストレスに対して、動物は逃げることができるが植物はできない。そのため植物は自分で抗酸化成分などを作り出して身を守るようになっている。それゆえ植物を摂取すると体に良いことが多いのである。このことに非常に納得させられた。植物と同じように、体に何かしらのストレスがあると体はそれに対して強化しょうとする。その結果、ストレスに対して以前より強くなるというメカニズムが生物にある。それを利用して発がんを抑制するという研究もあるようだ。これは日々の筋力トレーニングや精神面の向上と類似していると思う。改めてこのような研究に取り組んでみたいと思う。

村上:食べることはあまりに日常的なのでその意味については日頃はほとんど考えることはありませんね。しかし、病気などで食事ができなくなったりするとその有難味が急に実感されます。

 

生徒3:今回の講義では、初めて聞く単語や専門用語がかなり多かったです。また、聞いたことがある言葉でも正確な意味は知らなかったので、この講義でいろんなことを知ることができて良かったです。一酸化炭素はずっと体に悪い毒ガスだと思っていたけど、本当はその量によって酸化や炎症を抑える体に良い物質にもなるということがとても驚きました。反対にゼルンボンはタンパク質を変性させるという悪い面があることもわかりました。食事のとき、満腹ではなくて7割ぐらいで抑えると寿命がのびることを聞き、私もできる範囲で実行してみようと思います。そして、できるだけ動物由来の食品を避け、植物由来の食品を摂取しようと心がけてみます。ファイトケミカルはHSPを増加させ、体に良いことはわかりましたが、私たちの体内には摂取されにくいそうですが、どうやったら体内に吸収されやすくなり排出されにくくなるのか、またその方法は開発されているのか気になりました。この講義はかなりためになる話が多かったので私の生活にも生かしていけたらいいなと思いました。

村上:ファイトケミカルの吸収効率を上げようとする研究は現在、盛んに行われています。他の物質と共存させることで血中濃度が上がる例も多く見られますが、この講義で強調したように「ファイトケミカルは量が多ければ多いほど健康効果が期待できるわけではない」ので、適切な濃度を見究めることが必要となってきます。

 

生徒4:結果だけ見ると体に良さそうな成分も、そのメカニズムを詳しく調べていくと、体に良くない成分であるから、体が防御反応を示し、結果的に良い効果があらわれる、というのが面白かったです。麻酔は大麻やコカインなどを利用していると聞いたことがありますが、植物成分や健康食品も、程度は違っても似たようなものだと考えると怖くなりました。私は教科でいうと生物が好きで、将来の職として生物の研究や、薬の反応について調べたいと思っています。今までファイトケミカルという言葉は聞いたことがなく、今回の講義で初めて詳しく知りました。もともと生物は好きだったので興味を持ちました。これから、健康食品などと書いてあるものは、少し気をつけてみようと思います。今日は本当にありがとうございました。

村上:植物成分は野菜などから摂っている限りはまず過剰摂取にはならないでしょう。サプリメントを含む健康食品では有効成分を濃縮しているケースが多く、錠剤などは簡単に摂取できるので、その場合は注意が必要です。

 

生徒5:今回の講義ではたくさんの新しい知識を得ることができました。自分が何のために食事をするのか、や植物と動物の違いなど、単純なことでも深い意味があることを知りました。中でも最も驚いたことは、ファイトケミカルは、発がんを抑制する効果があり、人間にとって体に良い物が、実は植物が昆虫やばい菌などの外敵を殺すための抗酸化物質であるということです。本来、動物にとって毒となる物質が、それを体内に取り込むことによって、逆にがん物質という毒を排除できることに驚きました。また、今回、健康についても深く考えることができました。食事をする上で、大切なのは、栄養素を取り入れ、生きることだと思ってましたが、何よりも大切なのは食事を愉しむことだと知りました。確かに健康を考えるのは大切ですが、もし健康だけを考えたら、非常に質素な食事になる、とういのは納得できました。広い分野で様々なことについて学ぶことができ、これからに役立てることができればいいなと思います。

村上:細かなことですが全てのファイトケミカルに発がんを抑制する効果があるわけではありません(現在のところ、ご存じのようにがんを効果的に抑制できる食品成分や薬剤は開発されていません。動物実験で効果があってもその物質を人に応用できていないのが厳しい現状です)。

 

生徒6:講義を聞き、食物の持つ成分について詳しく知れました。食べ物には栄養を取る目的だけでなく、愉しくためなどにもある。植物由来の物が動物由来の物よりも栄養素が多いと言われるのは、植物は動けないため、危険から身を守る耐性を持っている。その植物を食べることで自らも栄養を取ることができると知ることが出来たので野菜を摂取する意味も知れて良かったです。また、ファイトケミカルという植物特有の作用がHSP(heat shock protein)という抗炎症作用や長寿になる物質を増やしてくれるため、野菜の大切さを改めて感じれました。今後の食生活は、必要な物を適度な量摂取して、健康に気をつけていきたいと思います。

村上:ファイトケミカルは栄養素ではありません。知っていると思いますが、栄養素とは炭水化物、タンパク質、脂質など、生命を保つうえで必須の物質群を指します。ヒトはファイトケミカルを摂取しなくても生きていけますが、もしかすると健康や寿命に影響を及ぼすかも知れません。(栄養素とファイトケミカルの間に位置するのがビタミンやミネラルなどです)。

 

生徒7:「We are what we eat.」(私たちは私たちの食べる物からできている)というフレーズになるほどな!と思いました。英訳も意味も深いなと思いました。先生がおっしゃってた「今からの10年間は食生活に気をつけた方が良い」で、その通りにしようと思いました。今から10年間は好き方だいたべていても健康には支障にはないそうですが、10年後からは思いっきり支障がでるそうなので、そんな生活にならないように、今のうちから健康な食生活をしようと思いました。もともと野菜とブロッコリーが好きなのでバランスよく食べます。いろいろ専門用語があってよくわかりませんでした。ファイトケミカルは難しそうです。あと、「すべてのものは有毒である。毒でないものは存在しない。」はしょうげきをうけました。農学部はむずかしそうです。

村上:「We are what we eat.」は食品機能学の重要性をアピールするときに良く使うフレーズです。私たちの細胞は体内で日々、新しいものに置き換わって行きますが、その過程で摂取している食事が影響する部分は少なくありません。

 

生徒8:今日の出張講義では、植物に含まれる’ファイトケミカル’の話を中心に、食品機能学について様々なお話を聞かせていただきました。小さい頃からの微生物の影響効果について興味があったけど、植物には動物にはない特有の低分子化学物質を持っているなど、自分の関心がある分野の中で違った視点から生物の機能について学ぶことができてとても面白かったです。特に、「腹八分目」が良い科学的根拠として、動物はタンパク質が変性させられたら対抗手段としてHSP(タンパク質をもとにもどす)をふやすという風に、ある程度のストレスを与えるとそれに対抗しようとするため、カロリーオフなどのストレスがすすめられるというのはとても納得させられました。自分や自分の大切な人に関わる学問だからこそ、将来よりよい暮らしを送れるようにもっと知りたいし、研究したいという気持ちがつよくなりました。このような機会がまたあればぜひ参加したいです。

村上:微生物、植物、動物それぞれに特徴的な性質があり、また、共通している面も多々あります。食品機能学の良いところは、食の研究を通して生物の神秘に触れられるところだと思っています。

 

生徒9:農学の研究内容はとても興味深かったです。僕は食べることが好きで、食事の際は、カロリー量を気にせず食べていました。でも、今回の講義を受けて、食べ物の見方が少し変わりました。特に印象に残ったのはパラケルススの言葉です。「すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。」この言葉にはとても驚きました。なぜなら、私が体に悪いと思っていたもの全ては適当な量であればむしろ体に良い物であるからです。授業で紹介があったサルの実験でも結果に表れていました。食べるという行為は、私たちにとって必要不可欠であり、一生ついてくる行為です。ちまたには「健康食品」というような体に良さそうな商品があふれているけども、実はものすごく疑わしいもので、正しいものは1%にも満たない、それほど少ないと先生もおっしゃってました。今回の講義を受けて、自分の食生活を見直し、スーパーや食品売り場に行った際には色々な食材、商品に目を向けてみたいです。

村上:「食べるという行為は、私たちにとって必要不可欠であり、一生ついてくる行為です。」その通りですね。あまりストイックな食生活も無駄なストレスを増やすだけなので、食欲と健康意識をうまく両立させながら食を愉しむことが重要で現実的だと思っています。

 

生徒10:今回の講義は、自分の知らないことばかりでとてもおもしろかった。特にファイトケミカルについてが興味深かった。ファイトが植物でケミカルが化学物質という意味である。ファイトケミカルによってゼルンボンというのが分泌されて、発がんを抑制しているらしいが、それに達するまでにたんぱく質の破壊というストレスがかかっているのはすごいと思った。つまり筋トレと同じように一度傷つけることによって強くしている。それと、健康用サプリメントは、実はあまり効果がないというのにはびっくりした。自分もよくサプリメントなどを使うので少し残念にも思った。これからは気休め程度に使っていきたい。

村上:「ファイトケミカルによってゼルンボンというのが分泌されて」というのは誤解です。ファイトケミカルというのは植物のある特定成分の総称でゼルンボンはその1種です。例えると、植物の全成分=世界の人々、ファイトケミカル=日本人、ゼルンボン=村上、ということになります。

 

生徒11:私は農学と聞くと農業のことだと思っていたけれど、農学の中には薬学や医学なども含まれていると知り驚きました。ファイトケミカルという言葉は初めてききました。植物がストレス対抗のために作り出した物質を人間が摂取することによって健康を得られるというのは本当に不思議なことだと思いました。「薬と毒を区別するのは適切な量だ」というのもとても印象的で摂取する量によって薬にも毒にもなりうるということは不思議だし同じ物を摂っているのに効果が変わるのはとても面白いと思いました。カテキンやアントシアニンなど、よくきいたことがある物質がファイトケミカルであると知ってびっくりしました。栄養のことや食品が人体にどのような影響を及ぼすかというのはとても興味がある分野だったので、今回、くわしく話を聞けて本当にためになったし、とても面白かったです。ありがとうございました。

村上:素直な感想と的確なまとめになっています。今回、興味を持った点について更に調べていけば理解がより深まるし、さらに興味がわいてくると思います。

 

生徒12:今まで食品機能学というものを聞いたことがなかったが、食品そのものあるいは、その成分の生理機能性に関する研究分野であった。サプリメントは僕の中では摂取すればするほど良いものであると思っていたが、過剰に摂取することで体に害があることがわかった。さらに、サプリメントは一般の栄養素がとれてる人にはそれ以上の効果は期待できず、不足しがちなものであれば補うことが可能であると村上先生はおっしゃっていて、とてもためになりました。やはり普段の食生活を変えて行くことが大切であるのだと思いました。今回の講座で農学に興味がでてきました。

村上:日本人が普通の食生活を送っている限り、必要な栄養素はほとんど確保できます。その一方で、偏食しているけどサプリを摂っておけばまあいいや、という発想が出てくるのですが、やはり基本は食生活を是正することだと思います。

 

生徒13:今まで、食品機能学についてあまり感心をもっていなかったので、ほとんど何も知らなかったが、今回の講義を聞いて新しい知識に触れることができたのでとてもよかったと思います。サプリメント等の過剰摂取が体に良くないことは漠然とは知っていたけど、その他の体に良さそうなものを摂取しすぎてはいけないことを知って、これから気を付けたいと思いました。食品機能学で「なぜその物質が効くのか」を調べることの重要性が分かりました。また、サルの写真の対比を見て、人間だともっと顕著に差が出てくるだろうと思いました。私は甘いものが好きで、ついつい食べてしまうのですが、講義を聞いて、間食はできるだけひかえるべきだと改めて思いました。’人生はトレーニング次第’のところで、今まで運動、日光浴、入浴などはそれ自体が体に良いものだと思い込んでいたけど、適度な負担となるから良いということを聞いて驚きました。「健康成分の多くはストレッサーかも知れない」ということを頭に入れて、今後の生活を見直していきたいと思いました。今回はお忙しい中、講義に来ていただいてありがとうございました。ためになる話をたくさん聞けて有意義な時間を過ごすことができてよかったです。

村上:講義のメッセージが良く伝わっていて、嬉しく思います。人間の実験によってカロリー制限を強いられたサルは結果的に長寿になったかも知れませんが、その人生(猿生?)はどんなものだったでしょうか?もしかすると空腹ストレスに苛まれ続けていたのかも知れませんね。

 

生徒14:今まで食べ物というと自分が生き延びるために食べる物だと思っていたけれど、それだけじゃない食べ物の役割を知り、とてもタメになった。又、一般に毒といわれる食べ物も、量や濃度によっては害になるということは知らなかったのでとても興味深かった。特に、毒ガスである一酸化炭素が量によっては酸化や炎症を抑える体に良い効果が得られること、人参に含まれるβカロテンが過剰摂取でがんになりやすくなってしまうことが私の中で特に印象的だった。又、ファイトケミカルであるゼルンボンの話も面白かった。無差別に様々なタンパク質にくっついて変性させてしまうというデメリットがある反面、そのデメリットを細胞が利用して逆にHSPを作り出し、体に良い作用が表れるかも知れないと聞いた時、やっぱり生物って神秘的だなあと思った。食品一つとっても体に及ぼす影響は違ってくることを改めて知ることが出来てよかった。これからは、今日新しく知ることが出来たことを活かして、食品についてもっとちゃんと知っていきたいなと思った。

村上:細かくて難しいゼルンボンの話もよく理解できていて素晴らしいです。動物の細胞はファイトケミカルと接触すると短時間の間にダイナミックな反応・変化を起こします。それを一つ一つ解き明かしていくのが私の研究です。

 

生徒15:今回この講座を受けて、ファイトケミカルのことにとても興味が持てました。また、食べること自体にもちゃんとした意味があるのだと思いました。私は栄養素のことをひとまとめに考えていましたが、実は微量非栄養素という分類があることにも驚きました。漢方薬もその1種で、アジアとアメリカでは考え方の違いで、アメリカは純品を好むことも驚きました。そして、私達の身体がファイトケミカルを拒否していることにも驚きました。ファイトケミカルは体に良い作用をするものが多く、すぐに身体に吸収されるものだと思ってましたが、図を見てみると排出の矢印の方が圧倒的に長かったので、意外だと感じました。薬と毒を区別するものは適切な量であるという言葉のように毒ガスの一酸化炭素も摂取する量によって、参加や炎症を抑えることも初めて知りました。私は薬学に興味があったのですが、食品機能学の話はとても新鮮で、おもしろいと感じました。

村上:私の説明が悪かったんだと思いますが、漢方薬は微量非栄養素には分類されませんので注意しておいてください。薬理学と食品機能学には共通した部分も多くあるので興味が深まればまた色々と調べてみて下さい。

 

生徒16:今回の講義ではふだん食べ物についてそんなに考えることがないのでとてもいい機会になりました。なぜ植物性由来のものがいいかなど考えたことがなかったし、化学物質にはいい面悪い面それぞれ持ち合せていて、それがなぜか上手に成り立っていることにとても驚きました。今回の講義中に質問することができませんでしたが、1つ疑問があります。それは「野菜ジュース」についてです。私は最近塾などの影響でスーパーなどでお弁当を買う機会が多くなりがちです。これだけでも体に良くないことだとは思いますが、特に野菜の摂取量が少ないと思い、サラダなどの野菜を多く食べるように心がけましたが、それでもなかなか必要な量を摂ることが難しいです。「野菜ジュースを飲む」という手段は良いことですか。調べてみると「あまり良くない」という意見が多かったですが、それはなぜですか。また、それならジュースは飲まない方がいいのですか。とうい疑問です。私は将来栄養の方面に進みたいと思っています。食べることが大好きです。だからもっと栄養についてより知って、食べることを楽しみながら、よい食生活を送れるようにしたいです。

村上:質問有難う。お答えします。個人的には野菜ジュースの摂取は体に良いことだと思っています。ただし、実際の野菜の摂取と違って、一般的にジュースでは食物繊維が充分に摂れませんのでその事実を知っておくべきです。また、色々な事情で野菜の摂取量が低い場合に仕方なくジュースで代替するのは止むをえないですが、やはり本来、野菜をしっかり摂っておくのが重要であることは間違いありません。

 

生徒17:健康成分の多くは実は体にストレスを与えるストレッサーも知れないという矛盾点が興味深かったです。ゼルンボンの動物発がん予防効果、HSP増加、タンパク質を変形されるなどバラバラだった発見がつながっていくことによって、1つの機能が分かっていく様子が、中高ではないようなものだと感じました。今まで自分は生体本体の細胞機能などの方しか考えたことがありませんでしたが、今回の講義を受けて、食品の成分が生体の機能を促進させたり、または病気の予防効果など、食品の成分にもこれから目を向けて行こうと思いました。

村上:「バラバラだった発見がつながっていく」・・・いい表現ですね。今回の研究ではまさにそうした感じで非常に胸がワクワクしましたが、そうした状態になるまでの道のりは決して容易ではありません。実験も自分が思うようなデータが出ないことがほとんどですし、なかなかのイバラの道です(だからこそ乗り越えると快感)。

 

生徒18:人間は何のために食べるかなどそんなことは今まで考えたこともありませんでした。思い浮かぶといえば生き延びるためくらいしかありませんでした。愉しむためという理由は簡単だけどびっくりしました。また動物と植物の違いも動くか動かないかぐらいだと思っていました。動物の方がたくさんストレスを感じていると思っていたけど、植物は日光や土壌中の細菌など、さまざまなストレス下にあってびっくりしました。どの食品もストレスをかけることによっておいしくなるのかなあと思いました。ファイトケミカルに発ガン抑制効果があるのにはびっくりしました。これから野菜をたくさん食べようと思いました。今日のお話を聞いて、20歳からの食生活と運動生活と大事にしたいと思いました。ありがとうございました。

村上:「食品もストレスをかけることによっておいしくなるのかなあ」・・・おそらく逆のケースが多いと思います。「良薬は口に苦し」というように、体に機能性を示す物質は美味しくないケースが多いです。逆に砂糖や脂質などの栄養素は基本的に美味しいですよね。

 

生徒19:私は農学部と聞くと畑で栽培とかそういうのが思いつくんですが、食品のことや薬に関係していると聞いて自分の想像とは全く違って驚きました。また、サプリメントは体に良いと思っていたんですが、副作用があったりと気を付けて使用しないといけないなと思いました。

村上:私も高校の頃は「農学部=農業の勉強」だと思っていました。もちろん、現在でも農学部に農業の研究分野もありますが、それが全てではありません。

 

生徒20:今回の講義を受けるまでは食品機能学が何のことがさっぱり分からなかったですが、「食べ物が身体にどのような影響を及ぼすのか?」ということで自分の身近なことだったので興味を持って聞くことができました。サプリメントはCMとかで「身体に良い!」とよく言っているので信じこんでいましたが、飲み方次第では害を与えると知り驚きました。なので、自分が体調とか悪くなれば、サプリメントに頼るのではなく、植物由来の野菜や果物をとりたいと思いました。貴重なお話、ありがとうございました。

村上:食品機能学は食事と健康に関する研究分野なので、生まれてから死ぬまで、朝起きてから寝るまでの私たちの人生(生活)に密着しています。

 

生徒21:ファイトケミカルという植物だけに微量に含まれる物質があることを初めて知った。最初に、ファイトケミカルとは、体に良い物質だと思っていたけど、適切な量を摂らないと毒になるから不思議だった。でも、何百年も前の医者の言葉や、昔からあることわざに毒と薬は紙一重だというような意味が込められていて昔の人は偉大だと思った。線虫の写真を見て、今年の夏休みに研究室訪問したときのことを思い出して懐かしく感じた。今回の講義で一番感じたのは、メディア等で取り上げられている情報は鵜呑みにせず自分でこの情報は正しいのか自分に必要なのかをよく考えて取捨選択していくのが大切ということだ。機会があれば村上先生の本も読んでみたいと思った。

村上:研究室訪問に来てくれたんですね。あのときは研究の話は十分にはできなかったのでまた違った印象を持ったかも知れません。情報を適切に取捨選択するというは、永遠の課題みたいなもので、世間でこれを誤る人が非常に多いことが問題です(自分も含めて)。

 

生徒22:一番印象に残っていることは、なぜ人は食べるのかです。私は「栄養を得るため」しか思い浮かばなかったので、3つ挙げられたうちの1つ「食を楽しむため」を聞いた時「あー、なるほど!」と納得させられました。また、好きな分だけいっぱい食べているサルと、腹八分目くらいの少し量を少なめにして食べているサルを比べると体の毛の量が2つ目のサルの方が多く、寿命も1つ目のサルより2つ目のサルの方が長いということに驚きました。その上、サルと人間は似ているので、人間にも同じ様な事が当てはまると思うと自身の食べる量を少し見直さないといけないなと思いました。正直、今回の出張講義の内容は深く難しかったのですが、興味ある話だったので聞いてて楽しかったです。

村上:まだ若いし、特に肥満していなければ食べる量についてあまり気にする必要はないかも知れません。その一方で、いまの食スタイル(甘いものに目がないとか、脂っぽいものが好きとか)は結構、その後にも継承されていく傾向があるのでその点で注意が必要です(年を取ると基礎代謝量が落ちるので若い頃と同じように食べてるとメタボに)。

 

生徒23:色々な食べ物に含まれるものが人体に与える影響について、実験してどんな結果がでるとかがおもしろくて興味がわいた。先生の話では、なかなか思ったとおりの結果がでないみたいなので大変そうではあるが、そういった点からまた考察していったりするのも楽しそう。それと、今売られているサプリメントとかはやっぱり効かない?みたいなので、今のうちから自分の健康状態に関しては気にしていきたいと思った。

村上:上にも書きましたが、実験というのは簡単には良い結果が出ません。でも、それで引き下がっていてはダメで「また考察していったりする」ことで何とか困難を打破しようとします。結局、最後までNGな時もありますが、時にはうまく展開できることもあり、これが「病みつき」の原因なのです。

 

生徒24:私は、興味のある農学について話が聞けるということで、この出張講義を以前から楽しみにしていました。最初の方で、農学部という学部についての話をして下さいましたが、農学部が農業について学ぶところではないと改めて知ることができました。正直ファイトケミカルという単語は初めて耳にしたものでした。今、生物で習っている単語でも難しいのに、大学へ行ったら、もっと知らない単語が多く出てくるのだなと実感しました。今日の講義は全く知らないことを教えていただくことができたので、とても楽しかったです。大学で、今日のような内容等の研究ができるように、今から勉強を頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

村上:講義などで知らない単語が出てくると困惑するかも知れませんね。でも、もちろんそれは知識を広げる格好のチャンスでもあります。受け身にならず、その後自分で色々とその言葉に関する事柄を調べて行けば、もう「自分の単語」になっているはずです。正しい知識は正しい理解、判断の礎です。

 

生徒25:有害な一酸化炭素も適度な量なら体に良いという話に驚いた。βカロテンが発がんを増加させるという話を聞いて、栄養素をとるにしても、ちゃんと知識が必要だと思った。また、食品は自分が思っていたよりも奥深いものだなと思った。サプリメントも害にもなるらしいので、メディアの’体に良い’という情報をうのみにするのではなく、情報の取捨選択が大事だと思った。健康食品のうさんくささを感じた。やっぱり、健康を維持するために簡単な方法である健康食品に頼るのではなく、少々しんどくても運動などをすべきだと思った。今日の話を聞いて、普段の食事から気をつけていきたいと思いました。

村上:「βカロテンが発がんを増加させる」は正しくは「βカロテンが発がんを増加させる場合もある」ということなので誤解のないようにお願いします。あと同様に、「サプリメントも害にもなる」も「サプリメントも害にもなる場合がある」、です。このように、「AはBだ」と単純に断定するのではなく、それがどこまで該当するのか、を慎重に、深く考察することが何より大切で科学的な態度だと言えます。

 

生徒26:今日の講義を聞くまでには「ファイトケミカル」の効用とビタミンなどが体にいいということは同じようなものだと思っていたので、よく広告などで「体にいい」とされている成分が栄養素とはまた違うものであるということがわかりました。ゼルンボンが作用するメカニズムは、生物で習った免疫の話とすごく似ていると思いました。ファイトケミカルは生体内で、インフルエンザなどのワクチンのようにはたらいているのかな、と思うとわかりやすかったです。そこで、薬剤は病気の体を健康な体に戻すためのものであるのに対して、ファイトケミカルは病気になるのを防ぐためのものだとおっしゃっていたので、薬剤が作用するメカニズムはファイトケミカルが作用するメカニズムと全く違うのか、それとも本質的には同じようなものなのか、ということが気になりました。私は薬学に興味があるのでそちらの話を詳しく知りたいなと思いました。でも、やはり農学と薬学は通じている部分が多くあるので、とてもおもしろかったです。貴重なお話をありがとうございました。

村上:ワクチンの例えはなかなか鋭いですね。確かに、「軽い毒(=ワクチンあるいはゼルンボン)を予め体内に入れておくことで真の毒に備える」という意味では同系統の話です。また、ファイトケミカルと薬剤の効き方の違いですが、大雑把に表現すると前者が生体の色んな機能分子の作用するのに対して後者はある程度ピンポイントで作用することが特徴と言えるかも知れません。

 

生徒27:最近、健康について世間でもよく言われていて、中でも食べ物は特に健康に関わっていると思い、今日、そのようなお話が聞けてよかったです。ファイトケミカルの中には、体に良いものも悪いものもあり、がんを抑えることができる物質もあって驚きました。特にβカロテンについては、動物実験では上手くいっても、人間では上手くいかない、むしろ発がん物質が増えてしまうというのにとても興味深かったです。今、色々な健康食品、サプリメントがたくさん売られていて、手軽に栄養を摂ることができるようになっていますが、体に害があったり、信用性がなかったりしています。できるだけ食べ物から栄養を摂って、健康に生活したいと思います。

村上:発がんの実験に限らず、高血圧や糖尿病などでも動物実験の結果がそのまま人に適用できる例は残念ながら少ないです。しかしその一方で、動物実験は作用メカニズムの解明や安全性評価のためには非常に重要であることも事実です。

 

生徒28:一番驚いたことが、全ての物質は量によって薬になったり毒になったりするということです。一酸化炭素の例などがとてもわかりやすかったです。あと、サプリメントなどや、この物質は○○に効果がある!などの情報はあまり当てにはならないこともよくわかりました。そういった私は情報をわりとまともに受けてしまいがちなので「マウスなど、ほぼ同じ動物での実験で効果が出たことで、一人一人違う人間では効果が表れることは少ない」ということがきけてよかったです。内容はけっこう難しいものだと思いましたが、とてもわかりやすく説明して頂いたので、おもしろいと思うことができました。食品などについて、あまり深く考えたことがなかったので、考える良い機会となりました。大学で行う研究についても興味を持ちました。

村上:講義に興味を持ってもらえたようで嬉しいです。サプリや健康食品の中にはそれなりの効果があるものが存在するのかも知れませんが、世間で漠然と思われているほどには期待できない、ということを指摘したつもりです。

 

生徒29:話しをきいてて、私にはすこしむずかしかったです。ゼルンボンについてが、よくわからなかったです。なので、なんとなくしかわからないところもあったけれど、栄養ざいとかファイトケミカルについてとかは、すこしりかいできました。ねずみをつかった実験をするってのはきいたことがあったけれど、その実験としてこうかがでれば人間にもするてきおうできるのだと思っていたけれど、そのものが、どのようなさようするのか人間にもそのさようがあらわれるのか、そんなことをけんきゅうしないといけないということをきいて、たしかに同じほにゅうるいでもちがうこうぞうをもっているから、そのままは、つかえないんだなと思った。

村上:ゼルンボンの話は、実際に少し難しかったと思います。動物実験でのデータがそのまま人で使えないことは事実ですが、上述したように、作用メカニズムの解明や安全性評価のためには必要な実験だとも言えるでしょう。

 

生徒30:○○ダイエットなどがテレビで特集されるとスーパーからその食材が消えるということがよくあるけど、しばらくしたらいつも通り並んでいる光景を目にすることがあって、何でだろうなあーと考えると、効果が感じられなかったからじゃないかと思います。今日先生は大体の場合で、食べ物で効果が感じられることはないという様なことをおっしゃっていたのも、そういうことを見てきたから納得できました。私は食べることが好きで、よく食べていますが、気づいたらすごく栄養がかたよっていることがよくあるので、食べるだけで栄養を補えるならそれほどいいことはないと思いますが、やっぱりそんなに都合良くはいかないのだと思って、バランスよく食べるように気をつけようと思いました。農学は色んな学部の中でも興味がある学部なので、このような機会があって参考になりました。

村上:何かの食材がテレビなどで取り挙げられるとたちまちブームになりますが、それが定着した例はどれほどあるでしょうか?やはり、それは上で書かれているように「期待して買ったけど効果が体感できなかった」ということに尽きると思います。しかしその一方で、食品成分の効果は長期間にわたってジワジワと現れてくるケースもあるので、直ちに判断することが正しいとも言い切れません。なかなか難しい問題です。

 

生徒31:今回の食品の話は結構知らないことがあって興味深かったです。例えば、なぜ食べるか、など、いつもしていることなのに、というかそれだからこそ、あまり考えたことがなかったので。また、ファイトケミカルなどの聞いたことがなかった専門用語も多く出てきたので、自分の知らないあらゆる事柄が専門的に詳しく研究されているんだなあと改めて思いました。話は変わって、私は農学科に将来行きたいと思っているのですが、農学科には種類がいろいろあって、自分がどれに行きたいのか少し迷っていました(中身をあまり知らなかったので)。しかし今日の講義で食品生物科学について少しですが知ることができたので、これからの学部選択の参考にしたいと思います。また、今日知ったことはほんの少しであると思うので、機会があれば他のこと、もしくは他のコースのことをもっと詳しく知りたいです。

村上:農学科(農学部のことですね)はもちろん、食品以外にも多様な学科があります。植物、動物、微生物など幅広い生物が研究対象ですし、研究手法も多岐に渡ります。理学部に比べると応用的な側面が強いのが特徴です。また、ホームページなどで調べてみて下さい。

 

生徒32:初めて耳にした単語が多かった。植物は、ストレスと共に生きる必要があるというのは確かにそうだと思った。それによって、特有の物質を作って生き延びることができるという話はとても興味深くおもしろいものだった。ファイトケミカルという聞き慣れない物質が、自分たちの身体に影響を与えていると聞いて、やはり生物についてもっと深く研究してみたいと思った。僕は、農学部に進学して農業を勉強したいと思っているが、このような、植物と動物の関係についても勉強したい。あまり聞くことができない話を聞けて本当に良かった。

村上:「植物と動物の関係」というのは僕が最も興味ある研究分野です。もちろん、野菜や果物などの摂取を通した関係性もありますが(それが実際の研究テーマですが)、例えば共生関係とか逆に生存競争とか、普段は気の付かないダイナミックな関係性が水面下で起こっており興味が尽きません。

 

生徒33:今回、先生の話を聞いて一番驚いたことは健康成分と呼ばれているものが実はストレッサーであり、それから身を守る術を繰り返すことで強くなっていくということでした。We are what we eatから始まり本当に人間の体は食事することでできているんだなと感じました。ただ生き延びるだけでなく愉しむためやこういった適応能力をつけるためなど聞いていてすごく楽しくワクワクし、なるほどとなる内容でした。薬と毒は紙一重、何事も摂取しすぎるといけないということを肝に命じてこれからの人生に役立てていきたいと思います。

村上:「健康成分と呼ばれているものが実はストレッサーであり、」という表現ですが、正確には「健康成分と呼ばれているものの中には実はストレッサーとして作用している物質が含まれている可能性があり、」という意味です。何事も「AはB」と単純に決めつける(表現する)のではなく、どれだけ妥当性があるかを正確に把握(表現)することが肝要です。

 

生徒34:二回目の講義でより一層深い話を聞くことができました。普段、行っている食事から、様々な機能が働いていることが分かりました。食品摂取による機能性のメカニズムなど、新しいことを知ることができ、食生活について考えることができました。将来は農学について学びたいと思っているのでとても楽しい時間でした。1)HSPはタンパク質らしいのですが、HSP自体は変性しないのか。2)化学物質を摂取するにあたって、程度があるとおっしゃっていましたが、それは日常的なものにも多かったりするのか、それを僕たちは知ることができるのか。3)その他、食品の摂取で気を付けることがありますか?終わった後から質問が思い浮かんできたので書かせて頂きました。

村上:お答します。1)非常に良い質問です。僕もこのことに興味があって、実はHSPに関するある有名な先生に同じような質問をしたことがあります。答えは「HSPが変性すると他のタンパク質がたちまち変性してしまうから、おそらく変性しにくい何かの特性があるのだと思う。でも詳細はわからない」という答えでした。2)おそらく、食品の形態で化学物質を摂取している限りは程度が過ぎるということは起きにくいと思います。しかし、錠剤などの形で摂りやすくしてしまうと無限に摂取できるのでこうした場合は注意が必要です。3)個人的に気を付けていることは、「時には暴飲暴食もするが、それを続けない。肉をたくさん食べるときは野菜もそれなりに多く摂る。間食はあまりしない。寝る前はなるべく食べない」くらいでしょうか。あと、食習慣ではありませんが適度な運動を心がけています。

 

生徒35:一番印象に残った内容は線虫がゼルンボンの濃度次第で生存率が変わっていくというのだった。セルンボンやそのほかのファイトケミカルの多くはHSPを増やして抗炎症作用や長寿などに作用することがわかった。アジ化ナトリウムやDMSOという有機溶剤は生体に悪い影響を及ぼすものだけど、ある程度の量で前処理などすると線虫の寿命や熱耐性が上がるというのが意外でおもしろかった。僕は遺伝子のことについて興味があるので、今回の話にでてきたことで遺伝子との関係についても調べたいと思いました。今回貴重なお話をしてくださり、ありがとうございました。

村上:線虫や細胞をゼルンボンで処理すると色んな遺伝子の発現量が変化します。それは恐らく、ゼルンボンという異物ストレスに対抗するために必要な遺伝子群であり、たとえばゼルンボンの酸化ストレスを抑えるための抗酸化酵素、ゼルンボンを排出するための解毒酵素、ゼルンボンによるタンパク質変性ストレスを緩和するためのHSP類などの遺伝子が含まれます。

 

生徒36:「農学」が農業に関することばかりではないことは知っていたが、具体的に内容を聞くのは今日がはじめてだった。資料にあったパラケルススの「すべての物質は有毒である」というのは本当にその通りだと思った。どんな体に良いとされているものでも、食べすぎると体をこわすし、逆にトリカブトだって漢方薬として使われてたりする。どんなものでも使い方と量次第である。乱れる健康情報とあったが、たしかにああいった宣伝をよく見かける。私は生物選択で酵素について興味があり、最近見かけた「酵素パワー!」とか「酵素の力で○○!」とかいうのが気になっていた。酵素が吸収されるとは思えないし、サギじゃないかなあ、と。質問してみてやっぱり変だということと、もしかしたら補酵素かな、ということがスッキリしてよかった。でももし仮に新しい酵素を機能する形で体内に取り込むことができたら、治せる病気とか、たとえば冷え症の改善とかできるんじゃないかと思ってる。でもそういう自然にある酵素以外を入れてしまうと何か不都合がでるんじゃないかとも思う。色々なことの研究が進んだらおもしろいことだなと思った。

村上:酵素を食べることで健康効果が現れると誤解している消費者は多いと思います。でもこれは、そのもの酵素と言うものがどういう性質を有しているのか、という知識がなければ無理もないことです。このように、情報を正しく取捨選択するためには科学的知識の備えが何より重要となります。そうした意味においては消費者も研究者も同じです。

 

生徒37:話しが専門的で全部を理解することはできなかったけど、食物を食べることで身体・精神に様々な影響が起こるんだなと思ってびっくりしました。何げなく’食べる’ことをしているけど、成長するためだけでなく、色々な面でエネルギーとなっているんだなと思いました。好き嫌いせずに、適当な量を食べて、食べることを楽しみたいと思いました。食品関連の植物などを研究していくことで、新薬などの開発にもつながると知って驚きました。今回、このお話を聞けて良かったと思いました。今日は本当にありがとうございました。

村上:食べ物が身体や心に与える影響は、普段はまず意識しませんが、生まれてから死ぬまでの行為でもあり、その重要性は言うまでもありません。さらに文化的背景や民族間でも差異など、食に関する研究課題は無限にありますのでまた色々と調べて見れば面白いかも知れません。

 

生徒38:食べ物はなぜ食べるのか、というので二次機能に愉しむためとあったのが意外だなあと思いました。サルを、食べ放題と食事制限をしたのとで分けた実験がとても印象に残っています。制限すると、ストレスがたまるけどそれ以上に食べたいものを食べ続けた方が死ぬ確率が高くなるという結果が本当に驚きました。サプリメントや健康食品が全て体に良いわけじゃなく、体に良いものを量を適当にしないと毒にもなるということが怖いなあと思ったので気を付けたいと思います。

村上:たとえ長生きできても、毎日が空腹ストレスに晒されるのは問題でしょうね。上にも書きましたが、太く短く生きるのか、細く長く生きるのか。きっと、どちらかの極端に偏るは問題で何事も程度を見究めることが大切なのでしょう。

 

生徒39:食品や健康について色々な視点から見ることができた。「ファイトケミカル」や「ゼルンボン」、「熱ショックタンパク質」など初めて聞く単語もあって興味深く話を聞くことができた。また、薬と毒は表裏一体であり、大切なのは’適切な量’というのは驚きだった。カロリーを30?span>抑えた方がよい、つまり腹八分目など実験例で見られたからわかりやすかった。「食品機能学」というかたくるしい名前だけれど、私たちの身体に深く関係していることなので、理解しながら聞けた。また、私は将来栄養系の仕事につきたいと思っていて、学問分野として関心を持てたし、研究されていない部分も知りたいと思ったし、目標を再確認できた。「We are what we eat」とはまさにその通りであり、これから食物を摂取するときには今日のことを頭においておこうと思う。本当にありがとうございました。

村上:非常に有意義だったようで何よりです。栄養系に興味があるのなら、今回の話はかなりストライクだったのではないかと想像します。今回の感想文でも「食べることに興味がある」という生徒さんの数がかなり多かったのが心強かったです。

 

生徒40:食品機能学の話を聞きました。ファイトケミカルなど知らなかったことばを知れてよかったです。サルを使った実験が興味深かったです。腹八分目?ぐらいでやめておいたほうが長く生きられるのにはおどろきました。実験をしたり議論をしたり、かっこいい世界だなと思いました。結果的に好きなものをたべて運動するのがいいんだなと思いました。

村上:「実験をしたり議論をしたり、かっこいい世界」・・・世に出る研究成果というのは日頃、実験室で起きている出来事の氷山の一角にすぎません。苦労や苦悩、さらには実験動物の犠牲など、様々な要素が蓄積した結果を反映しています。

 

生徒41:まず、農学は私も農業のことをやるものだと思っていました。しかし、今は農業を研究している人は少なく、生命、食品を研究していると聞いて少し驚きました。そして何のために食べるのかという話をされました。それは、生き延びるためと愉しむためだそうです。生き延びるためというのは当たり前ですが、愉しむというのも大切だと思いました。栄養を取るだけなら点滴でとれますが、それだと元気にはならないと思います。私も食べることは好きなので、納得です。また、先生は健康食品はあまり信用できないとおっしゃってました。私の母も先生と同様なので私もそう思います。やはり食品から取るのが一番だと思います。そして、適切な量を取るのが大切だということも知りました。

村上:「農業を研究している人は少なく、生命、食品を研究している」と表現するとちょっと極端ですね。農学部のホームページを見て自分の目で確かめてみて下さい。健康食品については世間で思われているほどに効果は期待できない、という点を強調したつもりです(全く効かないとは言っていません)。

 

生徒42:私は、今回講義で、これからの食品に対する見方が変わったと思う。よく、CMで流れている健康食品のうたい文句はほとんど根拠がないと言われ、母がいつも熱心に求めているので止めてあげようと思う。私は植物がそもそも栄養価がありそれを体内に取り入れているものだと思っていたが実際は外部のストレスから身を守るために植物が化学物質を出し、その化学物質を摂取している。自分が子孫を残すために出した物質を私たち動物が食べ、生きている。「命を食べている」というのを実感した。又、熱ショックタンパク質(HSP)をもっているハダカデバネズミはマウス、ラットの10-15倍長く生きられる。これは人間にも適用できるのか分からないが、いずれそういうことが実現できればいいなと思った。食べることが好きだが、今日のでいろいろ考えながら食べると更に愉しいなと思った。

村上:HSPは大腸菌を含むほとんど全ての生物が持っています。HSPの働きの強さは、もちろん生物種によっても違いますし、ストレス条件に置かれると、より強く機能するようになります。ハダカデバネズミが長寿である原因の1つは、タンパク質が変性しにくいためだと言われています。

 

生徒43:自分にも関係のある食品のことについて、難しい話もありましたが、なるほど、と思うところもとてもありました。人と食品ってとても深いかかわりがあるものだと改めて思ったし、動物実験では成功したのに人実験では上手くいかなった・・・という話からは人間は難しくておもしろいと思いました。私は生物選択ではないのですが、この講義で生物っておもしろいなと思いました。生物選択の子が、今まで習った知識を含めて深く理解し、すごくためになった!と言っているのを聞いて、うらやましかったです。

村上:これを機会にぜひ生物に興味を持ってもらえれば嬉しいです。教科書的な知識があればより理解が深まるのは事実ですが、何より「えっ、何で?」、「不思議だなあ~、面白いなあ~」という感情が知識を深めるためのモチベーションになります。こうしたプロセスを経て得た知識は鉄板です。

 

生徒44:今日の講義を聞いて、食生活をもう少し見直さないといけないなあと思いました。私は薬局が好きで、よく1人でもいきます。サプリとか、健康食品を見て、パッケージやキャッチフレーズにひかれて、ついつい購入してしまうのですが、今回の講義を聞いて、サプリにたよらず、自分で食事のバランスを考えて食べることが一番健康につながるのだと思いました。また、サプリや食品に含まれる成分(カテキンなど)を調べるのが好きで、カテキンに関しては、大学の研究により’記憶力が増す’などの脳神経の活性化効果があるようです。しかし、ネットに書かれていることが全て正しいという訳ではないので、サプリを購入するときは、しっかり吟味してから購入しようと思います。この講義はとても興味深く面白かったです。私は農学部を目指しているので、進路にも関係する良い機会になりました。

村上:脳機能についてのカテキンの効果は恐らく動物実験か何かのデータを根拠としており、人で同じ効果が得られるということは証明されていないと思います。「ネットに書かれていることが全て正しいという訳ではない」・・・むしろ逆に「ネットに書かれていることが全て間違いという訳ではない」と揶揄したいくらいです。ところでサプリを時々購入してるんですね。効果はありますか?

 

生徒45:私は農学部を志望しているので、聞いたことのあることもありましたが知らなかったこともたくさんありました。成分についての研究は、植物を使うだけだと思っていたけど、調べた成分がどんな働きをするのかを動物実験で研究することに驚きました。動物で実験が成功していても人間でも効果があるかはわかりません。だから、人間の体に良い食べ物を発見するのは難しいと思いました。植物と動物の違いを聞かれた時に私は上手く説明できませんでした。それは植物はストレスから逃げることができないということでした。植物はストレスに適応できないと子孫を残せないので化学物質をつくり生き延びようとします。そのため機能性食品は植物由来のものが圧倒的に多いそうです。これを聞いて、よく健康食品などで「植物由来」という言葉を聞く理由がわかりました。今回の講義でさらに農学に興味を持ちました。

村上:そうですね。最終的に我々人間にとって健康効果があるのか、あるいは毒性はないのか、などを知る必要があるので、実験ではネズミなどの動物を使わざるを得ません。機能性食品は植物由来のものが圧倒的に多いですが、だからと言ってそうした物質が絶対に安全であるとも限りません。実に難しい問題です。

 

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 感想文を読んで

 

今年の講義ではスライドの一枚目に「鵜呑みにしない」と大きな字で書きました。これはもちろん食の健康情報を読む時の姿勢も指していますが、「今から私が説明することも全てが正しいとは限らないかも知れないし、短絡的に受け止めず、色々と感じながら聞いてほしい」と説明しました。恐らく戸惑った生徒さんもいたと思いますが、結果的に「鵜呑み度」は昨年より減って、感想文には個々で思索した結果がある程度反映されていると感じています。

 

また、「食べ物(食べること)に興味がある」と書いた生徒さんが多いこともあって、内容自体についてはある程度興味を持ってもらえたようです。いっぽう、良い緊張感を保ちたかったので、時折、生徒に発言させながら講義を進めましたが、突っ込んだ意見を引き出すにはもう少し雰囲気をほぐす工夫も必要だと思いました。

 

■兵庫高校生訪問(09/20/13、※訪問は08/19/13)

 

 兵庫県立兵庫高等学校の1,2年生の生徒さん7名と先生1名が研究室を訪問しました。プログラムの内容についてはこれまでと同様ですが、生徒さんのアンケート結果を転載しておきます。

 

※以下の写真と感想は高校と生徒さん本人の許可を得て掲載しています。

 無記名アンケート結果

 

1.今回の研究室見学を希望した理由、または目的を教えて下さい。

 

・学部に関わらず、京都大学に興味があったから、京都大の雰囲気などを直に見てみたかったからです。

・以前に村上先生が学校にいらした時にお話を聞き、とても興味をもったからです。

・京大の農学部を実際に見て、どんな所か知りたいと思ったから。

・他にこんな機会ないと思ったから。見てみたかったから。

・農学部を志望していて、いろんな大学を見てみたかったから。

・前に村上先生に兵庫高校でお話してもらい、農学に興味を持ちました。特に食品についてのお話に興味があります。将来は、食品開発などをしてみたいと考えています。

 

2.今日の内容で一番、印象に残った事とその理由を教えて下さい(いくつ書いてくれても構いません)。

 

・今日の話を聞いて、もちろん勉強が大事ということも学んだのですが、皆さんの話、体験談から、人生において大切な勉強以外のこと、勉強は何のためにするのか、というこれからにおいて本当にためになることを学びました。理由はわかりませんが、心に響くものが確かにありました。

 ・実験:色んな器具にふれることができたのしかった。

 ・大学院生のビデオを使った自己紹介(実際の学生の生の声が聞けて、大学についてもよく分かったし、人生の参考になったから)、実験器具をいろいろ見て回ったこと(普段、絶対見ることができない機械やマウスなどを説明とともに見れたから)

・2-3人ずつ分かれて研究室を案内してもらったとき。マウスがいっぱいいた! 院生を話をしたのが一番楽しかった。

・勉強は何のためにするのかというお話で、今まで考えたことがなかったので、とても印象に残りました。これから自分の可能性を広げるために勉強していきたいです。

・京都大学の研究室の実験器具の多様さ(今までの小、中学校と高校の違いに驚いていましたが、やっぱり京都大学は格が違うなと思いました)。

・動物室のマウスの多さ(マウスは3匹程かなと思っていましたが、何十匹もいてこんなにたくさん飼育するのは大変そうだなと思いました)。

・クリーンベンチなど(一つ一つの実験に対してすごく細かい心づかいがすごいと思いました。しっかりと研究するためには、ここまでしないといけないんだと痛感しました)。

 

3.もっと、こんなことが知りたかった、やりたかった、見たかった、聞きたかったということがあれば教えて下さい(どうぞ遠慮なく)。

 

・素晴らしい研究室をたくさん見せてもらっておいて言うのもナニですが、京都大学の講堂(?)も見てみたかったです。

・農学部に入っている人は、だいたい研究が好きな人なのか、女の人の学習方法や大学生活

・大学に入学してみないと分からないことが知りたい。勉強のことももちろんだけど、友達はできるかとか。

・博物館を見学できなかったのが残念でした(※村上注、あいにく今年は休館日でした)

・実際に大学生の方々の実験の様子(実際に学生の方々が実験されている様子を見てみたかったです)

 

4.その他に何かあればご自由にお書きください。

 

・1日中部屋にこもって参考書を解く、そんなことよりももっともっと自分にとって「勉強」になる1日だった、と心からそう思いました。他ではできない、本当に貴重な体験だと思います。京都大学に行きたいという熱意が少しずつわいてきました。今日見たあの景色をもう一度。京都大学のみなさん、本当に有難うございました。

・今回はこのような貴重な機会を与えて下さりありがとうございました。

・今回の研究室見学は、本当にためになったし楽しかったです。学んだことをいかして、これからがんばっていきたいです。忙しいなか、優しく教えてもらい、ありがとうございました。

・入れる学力があれば京大農学部に入りたいと思いました。

・普通のオープンキャンパスでは大学院生の方のお話を聞くことはできないので、とても貴重な体験でした。大学や学部のことだけでなく、普段の大学生活についてもたくさん聞くことができて嬉しかったです。

 

■兵庫高校で出張講義 (01/15/13、※講義は12/20/12実施)

 

講義の概要は、現在、健康効果が注目されている「ファイトケミカル」を取り挙げ、それらが必ずしも「カラダに優しい」成分ではないということを、緑黄色野菜に含まれるβカロテンをサプリメントとして投与した結果、逆に肺がんの発生率が上がった事実などを例に挙げ、食と健康の情報についての問題点を紹介したものでした。

 

 また逆に、毒性ガスとして知られる一酸化炭素(CO)も適切な低濃度であれば、抗酸化性や抗炎症性など良い機能性も見られる意外な事実を紹介し、約500年前の医師・錬金術師であったパラケルススの言葉「すべての物質は有害である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である」というメッセージを伝えました。

 

 後日、出席した生徒さん47名全員から感想文をもらったのですが、これがなかなか面白く、自分で保管しておくにはもったいないと考え、高校の許可を得て、名前を伏せた形で転載することにしました。私の力不足で、講義内容が誤解されている部分もありますが、誤字も含めて記載内容はそのままにしてあります。また、各感想に対する私のコメントも併記しました。

 

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生徒1.私は、今回この話を聞いて、健康食品について考え直しました。今、社会は健康ブームで、特定保健用食品やサプリメントがたくさん商品として棚に並んでいますが、これからは言葉に惑わされず、食品を選ぶことができると思います。また、ファイトケミカルのお話からアレルギーについて考えました。私自身アレルギー体質で、いろいろアレルギーを持っています。今は花粉症がひどく、そこからくる果物アレルギーもありますが、昔は卵アレルギーでした。もどしたり、じんましんが出るレベルのアレルギーが、いつのまにか成長と共に治っていました。もしかしてこれもファイトケミカルのように、ストレスに耐えることの一環として私の体に変化が起こったのでは、と思います。事実、アレルギー治療法の1つとして少しずつそのアレルゲンの物質を摂取して治すものがあるので、私も花粉症をやわらげられるのなら、少しずつ慣れていこうかなと思いました。日本人はなんでも清潔にしすぎで、潔癖症気味なのかなと思いました。何でも食べて、サプリメントに頼らない、健康な生活を心がけ、ファイトケミカルの効果を最大限にうけて生きたいなと思います。

村上コメント

 講義のときにも言いましたが、「昔、アレルギーがそれほど問題にならなかったのは寄生虫など異生物からの弱いストレスを常に受けていたからだ」と主張する人もいます。この現象は「免疫寛容」に関係します。一度、調べてみて下さいね。

 

生徒2.普段は聞くことのできない、食品のなかにある成分などの中で、ファイトケミカルについて聞きました。ファイトケミカルとは植物に含まれる微量非栄養のことでカテキンやアントシアニンなどです。ファイトケミカルを強くするには体にストレスをためて、それを対抗できるようになることです。今回の講義を聞いて、日々の食生活を見直すきっかけになると思います。

村上コメント

 「ファイトケミカルで(体を)強くする」という表現はOKですが、「ファイトケミカルを強くする」というのは誤った表現です。ある種のファイトケミカルはヒトにとってはストレスとなり得る、それを継続して摂取することでストレス耐性を増強し、他のストレスに対抗できるようになるのでは、というのが私たちの仮説です。

 

生徒3.食品機能学と聞くと、食べ物に関することだけに限られているのかなあというイメージでした。しかし、今日の講義を聞いて、そのイメージは変わりました。食品機能学は人間を含め動物の食生活全般に関することでした。今日の講義で特に印象に残っていることは、「猛毒であっても適度な量を摂取すれば、かえって良い効果がある」ということです。動物に害を及ぼすと言われている一酸化炭素などがその例で挙げられました。一酸化炭素は摂取し過ぎると、死に至ることもありますが、適度な量であると、酸化や炎症を抑えるなど、体に良い作用があると聞いて、とても驚きました。体に軽い負担や毒を与えれば動物は強くなれるということは人間の人生に通じるといえるようなものでした。体に与える負担や毒はこれから長い先の人生の中で必ず役に立つものであると感じました。私は自分自身に適度な負担をかけながら強くなっていきたいと思っています。今日は貴重な時間を過ごすことができました。本当に、ありがとうございました。

村上コメント

食べることは体に関わる事ですから、より包括的な知見を得ようとすれば医学薬学分野との連携や共同研究が必須になります。適度な負荷をかけると体に良い事はおそらく間違いないと思いますが「じゃあ、どの程度?」と聞かれれば答えに困るのが現状で、今後、さらなる研究の進展が必要です。

 

生徒4.村上先生とは京都大学で一度お会いし、質問させて頂いたことがありましたが、先生の研究内容はよく分かりませんでした。でも、今日の講義を聞いて少しだけ分かった気がします。人は何の為に食べるのか、研究の具体的な内容など、くわしく、分かりやすく説明してくださり、その中で、よくくわしく、専門的なお話をしてくださったので理解しやすかったです。ファイトケミカル、、、というものを初めて聞いたんですが、カテキンやアントシアニンなど、よく知っているものに含まれていて、それには様々な効果があることを知りました。でも、それは、適度な量でないと毒になってしまう。多量摂取に注意して、今のうちからケミトレしようと思います(笑)。

村上コメント

上と同じですが、やはり「適度な量」というのが難しいですね。細かい指摘ですが、「カテキンやアントシアニンなど、よく知っているものに含まれていて、」というのは誤った表現で、カテキンやアントシアニンなどはファイトケミカルの1種です。ところで、「ケミトレ」という言葉を覚えてくれて有難う(笑)。

 

生徒5.今まで知らなかった食物の中に含まれる(特に植物の中)物質には、とても私たちの体に良い健康効果があって、驚きました。また、有毒物であっても量次第では良薬にもなるというのは意外でした。「薬と毒を区別するのは適切な量である。」というパラケルススの言葉はなるほどと思いました。薬と毒は表裏一体なのだなと考えました。人間は適度なストレスやトレーニングを若いうちに体験しておかないと自らの将来の体の準備体操となるそうなのでそうしていこうと思いました。(野菜を日々取る)。過剰摂取はどんなものでも体に悪い。昔の先人たちが考えたことわざなどはとても的を射ているなと思いました。慣れてない事を突然やると体にはリスクがある。アレルギーの人が最近、多いのはストレスフリーの生活を送ってきて、突然ストレスにさらされると過剰に反応してしまうそうなので、怖いなと感じました。生き物は適度なストレスを与えられて育つ方が良いんだなと思いました。

村上コメント

「野菜を日々取る」ということは実行できてますか? 失礼ですが、講義から一ヶ月くらい経った今、恐らくできていないのではないでしょうか? それほど自分の食生活を大幅に変えることは難しいと実感しています。特に健康に何の問題もない、若い時代はそうでしょうね。健康に気を配る年齢になったときに今回の話を思い出してもらえればと思います。

 

生徒6.今回初めて食品についての分野の講義を聞きました。世間にはたくさんのサプリメントや健康食品があり、食品が人体に及ぼす影響は私たちも日頃、少なからず意識して生活しています。サプリメントをとりすぎると良くないというのは知っていましたが、なぜよくないかは全然知らなかったので、ファイトケミカルは人間には本来ダメージを与えるものだと聞いてすごく驚きました。私は今まで甘いものや肉は体に悪い、野菜は体に良いと決めつけていましたが、何でも適量があるのだと知りました。私は最近、甘いものやカップ麺などをとることが多く野菜をとる量がすくなくなってきていて、ちょうど将来の健康に不安を抱いていたので、これを機に野菜をとる量を増やし、ケミトレをして、体に色々な対抗力をつけたいです。

村上コメント

少し誤解を与えたかも知れませんが、「全てのサプリメントが悪い」とは思っていません。サプリにも色々ありますし、摂取する人の体質や病態の有無によっても効果や危険性は色々だと思っています。ただ、「サプリは絶対的に体に良いもの」という今の風潮には楔を打ちたいと考えています。

 

生徒7.今日、僕が聞いた講義は、食品のなかにあるタンパク質などについてでした。食品と言っても、植物の中の成分には栄養素もあれば、毒素もある。それに、最近ネットやチラシなどに書かれているサプリを全部しんようせずにかじょうせっしゅすると、体に害を与えてしまう可能性がある。栄養素などは体に吸収されるが、ファイトケミカルはあまり吸収されない。だが、ファイトケミカルは人間の体に有効な物質なのでもっと取り込めるように考えていかねばならない。講義の途中でおっしゃっていたパラケルススの「すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。」という格言はむっちゃ深い言葉だと思いました。とても貴重な話が聞けてよかったです。

村上コメント

講義では、「ファイトケミカルは人間の体に有効な物質なのでもっと取り込めるように考えていかねばならない。」とは言っていないつもりです。野菜などから体内に入る量は知れていますが、サプリ等で大量に入ると副作用が危惧される、というのが趣旨です。上の格言は本当に500年前とは思えない、重い言葉ですね。

 

生徒8.初めてきく用語で‘’ファイトケミカル‘’、‘’ゼルンボン‘’、‘’HSP(熱ショックタンパク質)‘’という3つの言葉を知った。難しくてあまり理解できなかったが、ある程度はわかった気がする。トマトなどに含まれているカロテン?を長期間、喫煙者が摂取すると肺ガンになる可能性が28%もアップしたという。体に良いと思われていたものが、その物質だけを長期間摂取すると逆効果があることがわかったそうだ。植物がつくるファイトケミカルというものは、植物は動けないために日差しがきついからといって、木影に動くこともできない。だから、身を守るためにさまざまな物質をつくりだしているという。それがファイトケミカルだ。・・・今回、食品機能学ということで、私の将来、進みたいと思っている方向性が同じ分野だったので、非常に楽しみにしていた。今日、講義を受けて、より興味がわいて、いますぐにでもこういう研究にたずさわりたいと思った。ガン予防や生活習慣病予防となる食品、植物、物質。そういうものを研究する上で、社会に貢献できたらいいと思っている。今回、このような講義を受けることができて、本当に良かったと思うし、よりいっそう大学に入りたいと思うようになった。勉強をがんばらなければならないとも思った。すごく良い機会だったと思う。

村上コメント

的確な講義のまとめと熱い感想を有難う。同じような研究分野に興味があるというのも素直に嬉しく思います。食品機能学にはもっと色々な研究内容があるので、また調べてみて下さい。明確な目的、目標を持って勉強すれば効率も上がることでしょう。

 

生徒9.まづ、今回の講義で思ったことは、いろんな分野がそれぞれの役割でつながっているということでした。今回は農学科の分野の話のつもりで聞こうと思ったけれど、話を聞いていくうちに、医学や薬学とも関係する話もでてきてすごくおもしろかった。また今回は、研究をするときの進め方のようなものも教えてくださって、どの分野に進んだとしても参考になる話でした。内容はいろいろと興味深い内容でした。健康にいいとされるものが実は害だったり、逆に毒物が体にいいという話でとてもおもしろかった。自分のもともと興味ない分野だったけど、話を聞いてみると、一つ自分の進路の選択肢が増えて良かった。

村上コメント

研究の進め方については、今回は簡単にしか触れませんでしたが、興味を持ってくれて嬉しく思います。基本的な進め方はどの研究者も似ていますが、細部には違いがあり、それが研究成果にも反映することが多いので非常に大事な部分です。

 

生徒10.少し農学に興味があり、この講義を選びました。それなりに理解でき、きいていておもしろかった。ファイトケミカルというものを今まで知らなかったので、ファイトケミカルが人間に体にとって非常に重要な役割を果たしていることを知ってびっくりした。これからは積極的にファイトケミカルととるために野菜や果物をとって、ストレスフリーな生活を送りたいです。農学がどんなことをする分野なのか少し分かったのでよかったです。これからの進路決定に役立てたいです。

村上コメント

「ストレスフリー」は理想ですが現実には絶対に?あり得ないことですよね。しかし、ストレス耐性というのは様々なトレーニングにより強化度が違ってくる可能性が高いですから重視したいところです。講義が進路決定の参考になって良かったです。

 

生徒11.農学といえば、農業というイメージが大変を占めていたけど、今日の話を聞いて、いろんな分野があるんだなと思いました。毎日、人間には欠かせない’’食事’’の食べ物について、研究しているのは、むずかしそうだと思いました。とても、身近なものだけれど、食べ物の効果とか、デメリットとか考えたことは、あまりなかったので、とても驚きが多かったです。野菜は体にいいものとしか思ってなかったけど、Bカロテンが肺がんの可能性を高めたり、ファイトケミカルという物質が含まれていると聞いて、意外でした。健康によさそう、というイメージだけで食べすぎるのは、かえって悪影響を及ぼすことも、今日知れたので、日頃の生活に生かそうと思いました。健康に良いといわれている食べ物は、植物に多かったりするので、植物を研究したり、動物実験とか、一酸化炭素が適度な量なら健康に良いことを明らかにしていたり、’’食べ物、食品’’から、こんなにもたくさん研究しているとは思ってなかったので、とても勉強になりました。今日、学んだことを、今までの生活を振り返って見直し、気をつけたいなと思いました。

村上コメント

実は僕も高校のときは「農学=農業」と考えていて、ずっと工学部を志望していました。工学部へ進んでいたらどうなっていたか、全くわかりませんが、生命の神秘に触れることができる農学部を選んで良かったと結果的に思っています。

 

生徒12.今日、この講義をきいて、農学部という自分の将来の選択肢が広がりました。今まで、医学部や工学部しか考えたことがなかったけど、農学部もいいなあと思いました。食品で野菜というものは体にいいものだと思っていて、その中に入っているβカロテンもその1種だと思っていたけど、βカロテンだけを取り出して人間に注入するとかえって人間に害を与えるということがわかりました。今日、この講義を聞いて楽しかったです。

村上コメント

上と同じですが、農学の良さを垣間見てもらえたようで嬉しいです。非常にマイナーな学部ですが、食べ物のことをメインに研究できる主要な学部で、多様性・応用性が特長だと思います。※注入⇒投与、ですね。

 

生徒13.農学部を志望していることもあり、今日の講座はとても楽しみにしていました。テーマは食品機能学ということで、食品の中に含まれる物質が体に対してどのような効果を持っているのかなどを教えて頂きました。農学というので農業の勉強だけと思っていたのですが、この分野では農学、医学、薬学などの多分野が参画していると聞き、色々な観点からこの分野を研究してるのだなあと思いました。「ファイトケミカル」という今まで聞いたことないような言葉が講座中何度も出てきましたが、先生が最初のうちに説明を聞く上でわかりやすいように「ファイトケミカル」、「ゼルンボン」、「HSP(熱ショックタンパク質)」についてわかりやすく説明してくださったので説明の内容をほとんど理解することができました。この分野で難しいことは健康成分が野菜には多くて肉には少ないのかといった必然性を説明することにあるとおっしゃってました。講座中で最も興味を持てたことは植物は環境ストレスに適応するために自らそれに対抗する物質を作っているということです。別に人間のためにその物質を作っているわけでないという当たり前のことを改めて認識させらせました。また緑黄色野菜を食べることは大事だが、それらに含まれるβカロテンだけを抽出したものだけを取り続けるとガンの発生率が上がるといったおもしろい話もしてくださり、本当におもしろくてわかりやすく、ためになる講義でした。

村上コメント

詳しい感想を有難うございます。植物が私達でなく植物自身のためにファイトケミカルを作っている、というのは紛れもない事実だと思いますが、残念ながらその考えは余り一般には浸透していません。こうした見方をすることで健康食品の捉え方もずいぶん変わると思います。

 

生徒14.私は今日の講義で色々なことを勉強できたと思います。まず、3つの専門用語を知ることができました。聞いたことのない言葉でしたが、説明を聞いたらわかったので少し賢くなった気分です。ファイトケミカルはどのくらいの種類があるのか少し気になりました。私は野菜があまり好きではなくて毎日少ししか食べていないのですが、これからはもう少し多めに食べようかなと思います。βカロテンだけを摂ると肺がんになる率が高くなるというのには驚きました。他のものを摂ると体にいいのに、単体だけを摂ると体に悪くなるというのは不思議だと思いました。

村上コメント

天然のファイトケミカルの数は私も詳しく知りませんが、恐らく数千種類はあるのではないでしょうか。混合物では効くのに単体にすると効果がなくなる、あるいは副作用が出る、というのはβカロテンの例だけではありません。

 

生徒15.今日はファイトケミカルという食品に含まれる物質について講義をして頂きました。特に印象に残っているのは、ストレスや自分に対する適度の毒であれば逆に自分を強くするということです。植物は動物と違って動かないので、菌や紫外線などからのストレスが大きいはずなのに、現在も生存しているのは抗酸化物質などの様々な抗体を作っているからだと知り、驚きました。また、「酒は百薬の長」という言葉にもあるように、適量のお酒は体に良いというのも印象的でした。他にも、サプリメントの話にも興味を引かれました。インターネットや新聞にも様々な乱れた健康情報が流れていることを知り、気を付けなければいけないと感じました。あまり抗体ができない状態で、一つの栄養分を過剰に摂取してしまうようなサプリメントは副作用などがあることが多いことも分かりました。食生活で食べる物質を意識することはあまりないけど、こえからは積極的に野菜をとったりしたいと思います。

村上コメント

細かなことですが、抗酸化物質というのは抗体の1種ではありません(一度、抗体について調べて見てね)。今は健康だからあまり健康食品には興味がないでしょうが、「昔、こんな話を聞いたことがある」と覚えていてくれたら嬉しいです。

 

生徒16.ファイトケミカルという言葉は初めて知りました。カテキンなど普段聞いたことのあるものもファイトケミカルだと知っておどろきました。今、インターネットとかでいろいろな宣伝でサプリとかも売っているけどそういうものには気を付けたいと思いました。βカロテンはそれだけどたくさんとると肺ガンリスクが高まるのは怖いなと思いました。植物は動くことができないから、自分で、ファイトケミカルを作ってすごいなと思いました。標的分子を探すというのが、楽しそうだなと思って興味がわきました。何でもそうだけど、度が過ぎるとだめなんだなと思いました。適切な量が大切なんだなと思いました。これから、食事するときには今日聞いた話を思い出したりしたいと思いました。

村上コメント

食品成分の標的分子の研究はまだまだ始まったばかりでわからないことだらけです。講義で話をしましたが、これが薬学には大きく遅れているところで、作用メカニズムがわからない、あるいは副作用の原因の1つとなっています。

 

生徒17.食品関係に興味があったので、今回の講義はとても楽しかったし勉強になりました。今回、一番おどろいたのはβカロテンを注入すると肺ガンがふえるということと植物の方が動物より強いということです。初めてこれをきいたときは何でかわからなかったけど、先生の説明を聞いて納得できました。植物は動けないから動ける動物よりもファイトケミカルが強くないとやっていけないとわかりました。あと、一酸化炭素はずっと体に悪いものだとばかり思ってたけど適度にとると酸化や炎症を抑え、体に良い作用があるということにも驚きました。「毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である」という言葉に関心をもちました。自分でもっといろんなことを調べたいなと思いました。

村上コメント

 一酸化炭素の良い効果はあくまで限られた一定の条件下で見られるものですから、間違っても使用しないでくださいね(笑)。実際に、現段階でも、ネズミなどを使った実験例はたくさんありますが、ヒトに対しては危険性が高すぎるので未だ実用化はおろか、実験もされていません。COの濃度、吸入速度、吸入時間など、あらゆる点で最適化されていなければ良い作用は現れないので、非常に危ない諸刃の剣です。ただし、現象としては非常に面白いですよね。

 

生徒18.難しい内容のお話でしたが、とても分かりやすく話していただいて楽しく聴くことができました。私は、これまで、ただ単純に野菜は体にいいもので、その理由なんて特に考えようとも思いませんでしたが、先生はそこを題材に研究しているということで、すごいな、と思いました。楽しそうだな、と思いました。「ファイトケミカル」という言葉は初めて聴きました。ストレスは体を強くするということで、これからは目の前のストレスから逃げず(運動とか?)腹八分目にも挑戦したいです。日常に結びつく、おもしろい研究内容だったので農学に興味がわきました。

村上コメント

運動も腹八分目も結局のところは自分に負荷をかける、ということです。その後、どちらも実行できてますか?これはなかなか難しい生活習慣であり、まずは無理をせず、愉しめる範囲で実行する、断念しても自分を責めず、またボチボチ再開する、というスタンスが鍵のようです(体験談です・笑)。

 

生徒19.今日この講義を聞いてまだ興味が深まりました。あまり食物のこととか知らないけれど、今日聞いて知識が増えました。私は進路に迷っていて、農学に進むか理学療法に進むかとても悩んでいるので今日の講義はとても参考になりました。ファイトケミカルとは何かを理解することができました。中年サプリとか体によくないと聞いて驚きました。用量を守ると毒物でも体によいと初めて知れてよかったです。

村上コメント

中年サプリが体に良くない、というのはこれまでの研究結果や他の知見を総合して考えた上での仮説であり、実証はできていません。いずれにしても、化学物質を摂取する際には用量が重要ということは間違いありませんが。

 

生徒20.ファイトケミカルやゼルンボン、熱ショックタンパク質など、初めて知ったことばかりでした。サプリとか健康食品とかは体にいいと思ってたけど食べすぎると逆に悪いのは意外でした。βカロテンは野菜ジュースの中に入っているから体にいいイメージがあったけど、βカロテンのみのサプリメントをとるとがん率があがったというのは衝撃的でした。普段からファイトケミカルや体に毒なものから慣れておくことでストレスに対して強くなれるということなので、自分も心がけてみようと思いました。食品の成分について、少し難しい所もあったけど、興味ある分野なので講義を聞くのが楽しかったです。動物で実験して人間にも効果があるかどうかなど、動物を使う実験は凄く大切だと思いました。

村上コメント

動物実験は倫理的な問題でいろいろ批判もありますが、私は必要悪だと思っています。動物実験の結果をすぐさま人へ適用することは危険で間違いですが、細胞実験などでは得られない、貴重な情報が取得できます。

 

生徒21.今日の講義は少し難しかったけど興味深い話でした。植物は常にいろんなストレスを受けていて、それに対抗するためにいろんな物質を出している、ということを初めて知りました。今回のキーワードである「ファイトケミカル」という言葉は、多分、一生忘れないと思います!! また、βカロテンが肺がんを増やすということは驚きました。自分の身近な食物にも含まれている物質が人間に悪い影響があることもあるんだと初めて知りました。私はサプリメントとかそういう自然でない健康補助食品は避けたいなと思います。私は、普通に健康的な食生活をして、健康に過ごしたいです。大人になったらもっと健康に気を使うと思うので、今は好きなものをいっぱい食べたいなー、、、と思います。部活もしているし、今の時期はあんまり太らないので、おやつもいっぱい食べたいです・・・。大人になったら食事に気をつけてすごそうと思います!!

村上コメント

 「今の時期はあんまり太らないので、おやつもいっぱい食べたいです・・・。」→基本的にそのスタンスで良いと思います・笑。若いうちからお坊さんのように質素な食生活をしてしまうとその面でのストレス負荷が強くなるでしょうし、感心できません。基礎代謝が落ち、運動する時間もなくなり、ストレスで甘いものに逃げる・・・将来、そんな時期が来たら今回の話を思い出してください。

 

生徒22.今日、私はこの講座をきいて食について改めて考えさせられました。私達人間は、毎日、食べ物を食べています。私は今までなぜ食べるのか、何のために食べるのかなどはあまり考えたことはあまりありませんでした。「生きのびるため」「たのしむため」「体にいいため」、この3つが大きな理由なんだそうです。食べ物を食べないということは人のたのしみの1つをなくしてしまっているのだと思いました。私たちの健康で1番大切なことは適切な量をとることだと分かりました。「過ぎたるは及ばざるが如し」これは食にも言えるんだなと思いました。一酸化炭素は生まれてから今までずっと悪いものだというイメージがありましたが2500 ppmでは酸化や炎症を抑える’’体に良い’’作用が起こるという研究結果には驚きました。食べ物だけに限らず、運動や入浴、日光浴、精神・・・などなどはある程度のストレスをかけることで抵抗力が上がり、健康にすごせるということがわかりました。しかし、本当に健康状態が悪くなってから(つまり中年層)ストレスをあたえても、もはや手遅れで、今の若いうちからストレスを与えて、未来の自分の健康づくりをしていくことが必要なんだと思いました。私たちはサプリメントに頼りすぎることなく、少しストレスを与えて生活をしていけば大きなストレスから回避できるというのは現代の若い世代にもっと伝えるべきだと思いました。

村上コメント

的確にまとめてくれて有難う。食品機能学でよく引用される言葉に「We are what we eat.」というのがあります。「私たちは食べた物そのものだ」、つまり、どんなものを食べるか、で自分が決まる、という意味です。今回の講義が、食べることについて色々考えるきっかけになったのならこれ以上の喜びはありません。あと、2500ppmというのは250 ppmの間違いですから気を付けてください。

 

生徒23.私は健康的な食べ物に興味があり、この講義を選択したのですべての話がとても役に立つことばかりだなあと感じました。ファイトケミカルという植物の化学物質について詳しく教わり、初めて聞いた言葉だったが、分かりやすい説明で良く理解できたと思います。若い頃から少しずつ摂取していないと中年からサプリメントなどで摂取しても効果がないとういことや、摂取しすぎてしまうと、かえって逆効果になるという重要なことが知れました。また、毒物であっても、適量で摂取すれば、体に良いということも知り、驚きました。今回の講義で、食べ物の3つの機能である、生き延びるため、愉しむため、体にいいの?ということについて深く知ることができました。もう1つ驚いたことはβカロテンの話でした。肺がんになる確率が高かったという結果にはもちろん驚きましたが、実際に人間で実験しているということに最も驚きました。了解した上で実験に参加する人が本当にいるんだと、なんとなく恐かったです。でも、その人たちのおかげで驚きの実験結果が現れ、βカロテンが肺がんを増加させるという大切なことが分かったので、実験に参加することも大切なことだと感じました。話の中にはまた、お腹いっぱい食べるよりも腹7分目、8分目で我慢する方が一生で考えると健康的で体に良く、長生きにもつながるということもあり、私は今後、できるだけお腹いっぱいになる前で止めることを意識しようと思いました。’’ストレスと防衛力のつり合い’’ これは一生健康で生きていく上でとても大切なことだということが良く分かりました。

村上コメント

人間を使っての実験に関して強い違和感を覚える感性、素晴らしいです。この試験ではもちろん事前に参加者に対して詳しい説明をし、同意を得ています。試験中は自分がβカロテンを飲んでいるか偽薬(何の効果もない錠剤)を飲んでいるかわからないのですが、不幸にして肺ガンになったときのショックは想像を超えたものだったことでしょう。研究者はその痛みや背徳感を十分に感じた上で研究成果を次のステップに活かさなければなりません。この試験結果は世界中のがん研究者に非常な衝撃を与え、試験された場所に準えて「フィンランドショック」と呼ばれています。この言葉をネットで検索すればいくつか記事が読めますので調べて見て下さい。

 

生徒24.食べるということについて、深い研究をしているおはなしでした。食べ物の中に入っている栄養素をこまかく研究して、人の体にいいものを研究していておもしろそう。話の中でβカロテンがでてきたけど、私は体にいいものだと思っていたけど、実は肺ガンを増やしてしまうらしい。とても意外でびっくりした。私も、生物に関係のある学部にいきたいと思っているが、今日の話を聞いて、生物は楽しくていいなあと思った。農学部ではないけれど、そういうファイトケミカルの研究やHSPなどもとてもおもしろそうで興味がわいた。大学に行って、勉強したい気持ちがより強くなった。

村上コメント

個人によってどんな研究が愉しいかはもちろん違うと思いますが、農学部へ来て良かったと思うことの1つは生物の神秘に触れられることです。人間が個体として、また、組織や細胞レベルでいかに巧妙に作られているか、教科書には載っていない摩訶不思議で神秘的な事実をリアルタイムで知ることができます。農学、いいですよ!

 

生徒25.今日はサプリメントの危険性の本当のことが分かって良かったです。人生はトレーニング次第という話が印象に残りました。新しい実験系の構築というようなことは大学にならないとやらないと思うので大学で実験するのが楽しみです。サルの実験結果はとても驚きました。気を付けたいと思います。今日はありがとうございました。

村上コメント

 「人生はトレーニング次第」というのは、最近の自分たちの研究結果を基盤にして、何か包括的なフレーズはないかと時間をかけてひねり出したものなので、それが印象に残っているのは非常に嬉しいです。カロリー制限をかけたサルの実験は、最近、過去の結果を否定するデータも発表されたので、現段階では確定的な事は言えなくなっています。

 

生徒26.私は今まで食べ物を食べる時、2次機能のことだけを考えて食べていたような気がします。3次機能のことは親など考えているので自分もかろうじて少しくらいは考えていたのでしょうか。それにしても、1次機能に対しては皆無でした。生きることを当たり前だとみなしていて、生きるありがたみを、十分に理解できていなかったのだと思います。今回の講義でそれに気づかされました。これをきっかけに、これからも食の大切さや動物や植物の命を頂いているのだという気持ちを持ちたいと思いました。

村上コメント

 私自身も含めて2次機能しか頭にない(なかった)人間がほとんどではないでしょうか。食べることはあまりに当たり前であり、生きることそのものですから、その行為に対していちいち顧みないし、もちろん感謝もしない。だからこそ、時折、その意味や重要性について色々考えるのは大切だと実感します。

 

生徒27.今回の講義を聞いて、食べることというのは人間の様々な目的があることがわかりました。生きるためだけでなく、精神的な面でも人間を支えるというようなことで、人間と食は切っても切り離せない関係なんだと思いました。また、とてもおもしろいなと思ったのは、人間の身体的な慣れです。長年慣れていない物質を体に取り込むことで、副作用が起こってしまうことは、とても予想外だったので、昔から野菜など多様な食物を食べてきて良かったです。COのような毒ガスが特定量と条件下では体に良い作用をもたらすことも驚きました。

村上コメント

その通りですね。ただ栄養を補充するために、例えば点滴を続けているような状態では人生の愉しみは大幅に減ってしまう。食事は、五感をフルに刺激しますから、精神的な効果も多々あるのだと思っています。どんな食事をとるか、どんな食生活スタイルをとるか、というのは生きる上で実は非常に大切な要素なのでしょう。

 

生徒28.「ファイトケミカル」の「ファイト」は今までたたかうという意味だと思っていて、植物のという意味だとは思っていませんでした。サラダとかをしっかり食べてファイトケミカルをとったらいい。だからこれからは今までよりもサラダとか野菜を食べていこうと思います。いろいろと難しい言葉もあったけど、説明を聞いたらだいたいはわかってので少しは理解できました。

村上コメント

 「ファイト」の誤解はもっともです。「生活習慣病と闘うケミカル!」、みたいな意味で語呂合わせしている食品メーカーもあるくらいですから・・・。野菜は肉などに比べて嗜好性が落ちることは事実ですが、それには意味がある、ということが理解できれば食べる量も増えるのではないでしょうか。

 

生徒29.今日の話を聞いて「全ての物質は有毒である」ということに驚きました。すべてのものは、害はあるけど、それに対して適応することで健康になっていくものであり、もし子供の頃おいしいものだけ食べておじさんになってから、いいものを食べても逆効果になることがよくわかりました。世の中で、体に良いもの、と呼ばれるもの、悪いと呼ばれているもの、どちらもくわずぎらいはせず、適度に食べることを心がけたいです。今回質問したのですが、ちゃんとまとをえた質問ができなく、自分が全然普段からそういうことを考えれてないことも実感しました。次の機会があれば受け手である自分も、ちゃんとした理解をもってこうぎをうけたいです。

村上コメント

「全ての物質は有毒である」というのは正確には「全ての物質は条件次第では有毒になり得る」ということです。砂糖や塩だって一度の大量に摂れば即死します。じゃあ、どれくらいが危険でどれくらいが安全なのか?それが非常に難しい問題なのです。質問してくれて有難う。

 

生徒30.今日の村上先生のお話を聞いて学んだことは、すべての物質は有毒であり、その薬と毒を区別するのは量次第であるということです。健康に良いと言われている物質でも摂取し過ぎたりすると、逆に健康に悪くなるというのです。つまり適切な量こそが健康につながるということです。僕は今まで食事をするときにあまり考えずに食べていたのですが、これからはそういうことにも気を付けていきたいと思います。今日のお話を心に留めて過ごしていきたいと思います。

村上コメント

上と同じコメントになりますが、適切な量、というのが実に難しい問題です。同じ物質でも健康状態、年齢、性別、人種、生活スタイル、投薬状況、病気の有無などによって、おそらく適切な量というのは変わってくるでしょう。まだまだ研究の進展が必要です。

 

生徒31.βカロテンをとりすぎると肺がんになる可能性が高くなるときいてびっくりした。サプリメントをとるときは十分に注意しようと思った。

村上コメント

βカロテンによって肺がんの危険性が上がってしまうメカニズムは諸説ありますが、未だに決定的な説明はなされていません。なるべくサプリメントになどに頼らない生活スタイル(適度な量の食事、十分な睡眠、運動など)を若いうちから整えておくことが大切です。

 

生徒32.村上明さんの話を聞いて、全く知らなかった食品生物科学について知ることができた。また食品生物科学で研究する大きな3つはファイトケミカル、ゼルンボン、熱ショックタンパク質です。1つの目ファイトケミカルとは、植物に含まれる化学物質という意味で、例えば、ブルーベリーを食べると目が良くなるなどで、なぜそういう効果をブルーベリーがもたらすかを物質を見つけることです。なぜ食物が体に良くて、動物の肉が体に悪いか、というのは植物というのは動けないので紫外線や虫や細菌などがきたときに、対抗するために作る物質が体に良くなると言われているらしい。二つ目のゼルンボンとはハナショウガに含まれる物質です。これは三つ目のHSPの効果を強める効果もあるものだと知りました。HSPとは、抗炎症作用、抗糖尿病作用、長寿などの効果があるタンパク質で、ハダカデバネズミの実験で本来2,3年のハダカデバネズミを30年以上にするというすごい物質だと知った。話を聞いて、長寿が伸びたり、病気を治すものが食品に含まれていて、将来まだ知らない物質が出てくる可能性があると知ってすごく期待したと思った。

村上コメント

ハダカデバネズミの寿命が延びたのではありません。普通のネズミ(マウスやラット)の寿命が2,3年なのに対し、ハダカデバネズミは大きさが同じくらいで見た目も似ているのに寿命が10倍も長いという話です。その理由にHSPが関与している可能性があります(まだ完全に証明はされていません)。

 

生徒33.とてもわかりやすい講義でした。私たちが日ごろから食べている食品の中には健康によいとさせる物がたくさんあるが、それがなぜ健康に良いのか、またそれは本当に健康に良いのかを考えたことはありませんでした。緑黄色野菜は体に良いとされるが、その緑黄色野菜に含まれる物質(例にはβカロテンを挙げていた)をサプリメントで摂取すると、意外な副作用(肺がんの発生率が上がる)があると知ってとても驚いた。一酸化炭素が有毒であることは有名であるが、マウスに適量の一酸化炭素をとると「体に良い」作用があったそうです。酒と同じ感じだなあと思いました。ファイトケミカルは若い間に摂取しないと、年とってから摂取すると逆効果も出ることがあるそうなので、今からそういった日頃の食事を気を付けてみようと思いました。「健康成分の多くはストレッサー」ということを覚えておこうと思います。

村上コメント

 「酒と同じ感じだなあと思いました。」→全く同感です。酒≒アルコール=エチルアルコール(別名エタノール)ですが、これもファイトケミカルと同様、人間にとっては無用の化学物質ですが、適量飲むと健康に良い効果を示す場合があることは昔から実証されており、これも軽いストレスをかけることが原因だと私は思います。ただし、体質によってお酒が飲めない場合があるのでこの場合は「百害あって一利なし」かも知れません。

 

生徒34.今日この講義を聞いて、知らなかったことをたくさん教えて頂きました。カテキンやアントシアニンなどの物質は、名前は知っていたけど、どんな働きをするなどのことは全く知りませんでした。また、私は塾によく通っていて、よく食生活が乱れるので、野菜のサプリメントをよく摂っています。健康のためを思って飲んでいましたが、今日のお話で、サプリメントなどの特定の物質を凝縮した食べ物は摂り方次第で害にもなることを知りました。これからは、あまりサプリには頼らず、きちんと食べ物から栄養を摂らないといけないなと思いました。貴重な話が聞けて良かったです。

村上コメント

好きなように食べてもサプリだけ摂っておけばOK、みたいな話が真実であれば本当に楽チンですが、なかなかそうかいかないのが現実です。子供時代から思春期に作り上げられた食スタイルというのは、その後、意外と長く続くこともありますから、できる限り健全な食生活を送りたいものですね。

 

生徒35.今日の講義で、今まで農学がどのようなことをしているのかよく理解していなかったけど、少しでも知ることができました。難しい言葉とかが少なくて、理解しやすかったです。私たちにとって植物が一番よくて、人間はストレスに対抗するためにファイトケミカルというものをつくるらしいです。なので、そのファイトケミカルをつくるためにこれから積極的に野菜をとりたいと思いました。あと、運動、入浴、日光浴、精神、ファイトケミカルなどのファイトケミカルトレーニングでファイトケミカルをつよくすることができるそうです。これから、今日学んだことを活かしてファイトケミカルのことも考えてみたいと思います。

村上コメント

「人間がファイトケミカルをつくる」というのは誤解で、植物が作りだす化学物質です。でももし、人間がファイトケミカルを作るような食事や薬が開発されたらノーベル賞級の大発見です。新しい研究テーマにしてみようかな(笑。

 

生徒36.想像してよりも専門的な話を聞けて良かった。ファイトケミカルという今まで知らなかった物について知ることができて良かった。機能性食品が植物に多いというのは予想通りで良かったけれど、薬剤とファトケミカルの違いなどが意外だった。パラケルススは技術が発達してなかった昔に既に薬のことについて理解していたなんてすごい。適度なストレスを与え続けることがストレスからダメージを受けにくくするのは意外だった。ストレスはより少なく、できるだけ受けていない方が良い物だと思っていた。栄養ドリンクやサプリメントの売り場によく書いてある健康情報が根拠のない物というのに一番ショックを受けた。テレビのコマーシャル等であれだけ大きく宣伝しているのに根拠のないというのは本当にそれでいいのか?と思わされた。自分たちが健康のために飲む薬やその効果に迫るファイトケミカルの事を知れて良かった。これからこういった機会があったら聞いてみたいと思った。今日はわかりやすい講義をありがとうございました。

村上コメント

本当に500年も前の人間が化学物質の本質を見抜いていた、というのは驚き以外の何でもないですね。でも、現代では逆にそのことが浸透していないのが歯がゆいです。ところで、一つ確認しておきたいのですが、私は全てのサプリメントや健康食品に対して根拠がない、と言ったつもりはありません。あまりにひどい健康食品が多いのは事実ですが、中には真摯な研究態度で作られたものもありますので気に留めておいて下さいね。

 

生徒37.今日の講義を受けて感じたことは、健康成分の多くは実はストレッサーかも知れないということです。日頃テレビなどでサプリなどを宣伝しているが、今日の村上先生の話を聞くと、サプリばかり摂取していると逆に体に悪影響を及ぼすとおっしゃられていました。例えば、βカロテンが含有しているサプリを摂取しすぎると肺ガンになりやすいということです。しかし、すべての物質は有害である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量であるというパラケルススの言葉を知ったときはとても感銘を受けました。食品機能学という難しい学問でしたが、村上先生がとてもわかりやすく説明して頂いたのでとても理解できました。

村上コメント

充分に理解してもらえたようで嬉しいです。上記しましたが、サプリなどについては全てが悪いというつもりはありません。ただ、「効く!効く!」と言ったり、CM戦略でそう思わせる健康食品について怪しいものが多い、ということを伝えたかっただけですので理解しておいてください。

 

生徒38.今日はとても貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。今回のお話でファイトケミカルというものを初めて知りました。人間の身体にとってとても重要で大切なものだとわかりました。植物と動物では植物の方が健康にいいものだと思っていたけれど、植物は動かないものなので、まわりからのストレスなどにたえるためにいろんな健康的なものができると聞いてなるほどと思いました。ファイトケミカルは薬剤とはちがって機能性であり、ゼルンボンは寿命をのばすことができると聞いて驚きました。少なすぎも多すぎもダメで適度な量が大切で、それを実行することはなかなか大変だと思うけどそうできればいいなと思いました。具体的な実験とか写真とかあってとても分かりやすかったです。たまには好きなものを好きなだけ食べる食事を楽しむこともしたいけど、どんな食事でも食事はたのしむことができると思うので、先生のおっしゃっていた腹八分目の食生活で野菜を積極的に食べるという食生活が自分の身体や健康にもいいと思うので、きちんと送れたらいいな、と思います。そしてファイトケミカルを強くして、長生きできたらと思います。

村上コメント

 ゼルンボンについてはまだ残念ながら寿命を延ばす、というデータは得ていません。これは東南アジアなどで主に食べられているショウガ科植物では日本では沖縄の一部でしか食経験がないはずです。いきなり野菜が多めの食生活にシフトすることは難しいと思いますが今回の話を覚えておいてくれたら嬉しいです。

 

生徒39.今日はお忙しい中来ていただきありがとうございました。食品は日々私たちの生活に欠かせないものなので、今日のお話はとてもためになりました。私が一番驚いた内容はβカロテンばっかり摂取していたら肺ガンになる人の率が高くなったということでした。私は野菜を食べることは体にいいことばかりだと思っていたので、かたよった栄養を摂取し過ぎると逆に自分の体が悪くなってしまうこともあるのだなと思いました。でもこの実験は人間で行われたとのことだったので、その研究に参加した人は、研究した人もされた人もみんな辛かっただろうと思いました。やっぱり人間がずっと健康でい続けるためには、いろいろな種類の食べ物をバランスよく食べることが大切なのだと思いました。私は最近おかしを食べる量が増えてしまっていて、あまりよくないなと思います。でも今はよくても将来自分の身に何が起こるかわからないので、そういったことを常に考えないといけないと思いました。今日お話ししてくださったような専門的なことはやっぱり京大などの施設のととのったところだからこそできる深い研究だなと思ったので、私も興味をもったことをとことん追究、研究できるような学校に今日からがんばりたいと思いました。

村上コメント

βカロテンの話については、あくまで単一の物質にした場合の試験結果であり、野菜をたくさん食べたら肺がんが増えた、ということではありませんので注意して下さい。ヒト試験についての問題点は上でも書きましたが、非常に重要な視点です(自分に置き換えればわかりますよね)。ある別の試験では、またもやβカロテン群の方が、がん発生率が高くなる傾向にあったので試験は途中で中止となりました。とても難しい問題です。

 

生徒40.普段耳にすることがないような栄養素とかの話を聞いて、とても勉強になりました。植物に含まれるファイトケミカルはとても興味深かったです。ファイトケミカルが意外と身近なものに多く含まれていることに驚きました。ストレスに多くさらされている植物の方がファイトケミカルを多く含んでいるというのを聞いて人間も運動をしたり、食べる量を腹八分目にしたりとかで健康になったりするから、植物も人間も同じなんだと思いました。今まで体に良いものだと思っていたサプリメントが、あまり良いものでないと聞いて驚きました。いきなりサプリメントを飲んだからといって体に良いわけではないと聞いたのでこれからきをつけようと思いました。今日の講義を聞いて、自分の健康についてよく考えてみようと思いました。ファイトケミカルの多い野菜を多く食べたりして食生活を見直そうと思いました。

村上コメント

植物も人間も適度なストレスに晒されることでより強くなる、健康になるのだと思っています。この逆の考え方として、ストレスに晒されてもそれに対抗でき、生存を勝ち取ってきた生物種が現在、この地球上で生きている、とも言えるかも知れません。見た目はじっとしている植物がいろいろと感じて対抗している生き様を想像すると植物を見る目が変わりませんか。

 

生徒41.私の目指している学部は食品の栄養の面を学んでいくものなので、同じ食品関連として、化学物質を見つめ、健康のことを考えていく今回の講義はとても興味深いものでした。今回とてもよく使われた「ファイトケミカル」という言葉は今回初めて耳にしました。私も普段は野菜をあまり食べない食生活なので、1品でも野菜を取り入れていこうと思いました。良いものは良い、悪いものは悪い、そんな風に感じていたものが今日の内容を聞いて、とても意外な事実を知って驚くことばかりでした。酒が少量ならばよい、というようなものは昔からよく聞くものですが、一酸化炭素の良い面を知って驚きました。私は体調が悪くなりがちなので、トレーニングを続けて対抗できる力を持った体を作っていきたいと思いました。化学が苦手な自分にとって、出てくる言葉や内容は難しいものばかりでしたが、わかりやすい説明と優しい口調で話してくださったのでとても分かりやすかったです。食品と言うテーマは内容が広くいろんな分野があるのだと思いました。人の健康を守りたいという点でどの分野もつながっていると思います。今度も自分はどこかでまた今日話して頂いた事と関わるかも知れません。とても良い知識を身につけさせていただき、貴重なお話をして下さって本当にありがとうございました。

村上コメント

「人の健康を守りたいという点でどの分野もつながっていると思います。」→素晴らしい観点ですね、その通りです。全ての研究と言うのは明確な目的があって、それぞれ独自に研鑽を積んでいるわけですが、時折、共同研究という形で異分野の研究者と連携することがあります。同じ目標に対して異なる土俵の研究者が力を合わせるというのは素晴らしいことです。

 

生徒42.この講座で一番衝撃を受けたことは、身体にとって健康なものほど案外軽い毒なのかも知れないということだった。私たちがそれを摂取することで身体に健康だと言われる食品のもつ軽い毒に対する耐性ができ、類似した悪物質に侵されることの妨げとなってくれる、だから身体に良いということらしい。例えば、CO(一酸化炭素)の環境基準は10 ppmで1000 ppmに達すると死ぬみたいだが、250 ppmだと酸化や炎症を抑えるというむしろ「良い」作用を起こすのである。つまり、軽い負荷というものは後々、良い効果として私たちに還元されるということだろうか。つまり、「勉学」に置き換えると、「課題」をテスト前に大量にするのよりも毎日コツコツとする方が良いということだろう。しかし少しずつ長いスパンで負荷をかけるのはしんどいと先生はおっしゃったので、しんどいけれども冬課題をコツコツしたいと思った。食品生物科学的にも人生的にもなかなか自分にとって興味深いものであったのでよかった。先生がハンサムだったのもよかった。また機会があればお話を伺いたいです。ありがとうございました。

村上コメント

「勉学」への例え、なかなか面白いですね。講義で言ったかも知れませんが、日頃、運動を全くしていない人間がいきなりフルマラソンを走ろうと思っても破たんしてしまうように、近い将来に受ける負荷(=試験)に対する日頃のトレーニング(=課題)が重要ということでしょうね。

 

生徒43.今日の講義はどの話も興味を持てたし楽しかったです。とくにファイトケミカルが驚きでいっぱいでした。私はどの野菜でも基本的には全て体にいいと思っていました。でも微量非栄養素と呼ばれるものが健康によくないらしく、サプリメントを過剰にとったりそのものだけを(混合物でなく)摂取すると発ガン性が上がったりすると知っておどろきでした。また、植物は動物とは違い動けないので直にストレスがいっぱいあります。これを対抗するために抗菌物質=ファイトケミカルがあるそうです。これを人間がたべて害がないのはどうしてかという疑問に興味をそそられました。そして、今日の講義で学んだのは、有害なものでも適度が大事で習れることも重要だということです。また、中年でサプリをとってもむしろ逆効果らしいので、私はこの若い間にファイトケミカルを摂取して、免疫をつけ本当の健康を手に入れたいです。

村上コメント

「抗菌物質=ファイトケミカル」は厳密に言うと誤りで、ファイトケミカルの中には抗酸化物質や抗菌物質がある、ということです(ファイトケミカルは植物が環境ストレスに対抗するために作っている化学物質の総称です)。ところで、「本当の健康」というのはなかなか難しい課題ですね。誰もが望んでいますが、「より健康に」くらいが現実的ではないでしょうか。

 

生徒44.私は将来薬学部希望なんですが、食品機能学は関係ないと思っていました。でも、農学、薬学、医学などが食品機能学に関係があると聞いて驚きました。今日耳にした言葉はどれも知らないものばかりで、正直ついていけるか不安でしたが、どのお話もとてもわかりやすく、理解することができました。ファイトケミカルも何のことかわかりませんでしたが、「カテキン」や「アントシアニン」といった例は聞いたことがありました。特に印象に残ったのは、ゼルンボンの摂取によって線虫の熱耐性が増加したり、一酸化炭素も量が関係しているそうです。一酸化炭素は本当にただの毒ガスだと思っていましたが、実は適度な量であると‘’体に良い‘’作用があったり、DMSOも適度な量だと長生きするが、過剰だとむしろ早死にしたり・・・。パラケルススさんの、「すべての物質は有毒である。毒でないものは存在しない。薬と毒を区別するのは適切な量である。」という言葉はとても印象深かったです。サルの比較についても、腹八分目の方が毛もふさふさで活気がありましたが、私は食べすぎることがあるので、これからは我慢しようと思いました。また、いろんなことについても、よく「程々に」と言われることがありました。しなさすぎてもだめだし、しすぎてもだめ。適度な量を考えてやるのは本当に大切だとわかりました。まとめを言い換えた四つの教訓がありましたが、一番上以外はこれからも心に留めておこうと思います。特に三つ目の「継続は力なり」という言葉は、勉強面でもいつも言われていることなので、やはり続けることは重要なんだと思いました。今日はありがとうございました。

村上コメント

詳しくまとめてくれて嬉しいです。「程々に」の考え方は色んなものに適用できますよね。そしていつでもそれを達成するのは難しい(人間だもの・笑)。あんまりストイックすぎるのも窮屈だし、適度に人生を愉しみながら、でも健康にもちょっと気を付けていく、というのが現実的ではないでしょうか。

 

生徒45.食品については上部だけを見ていて、食品の成分や機能についてなんや興味を持っていませんでしたが、講義を聞いて関心を持ちました。一番心に残ったことは、研究の仕方です。今まで博士の話を聞いたりしましたが、今日ほど、研究の進め方を教えてもらったのは初めてです。「なにが原因で効くかを調べる。」の研究方法で、機能性(exしょうがで体が暖まる)から、なぜかを調べ、どの化学物質が関わっているかを調べるということがありました。私が予想していたことはまず、1つの化学物質を取り出して、効果を調べるということでした。研究は大変そうだと思っていましたが、まったくの予想できない化学物質をあてると知ってなおさら大変そうだと思いました。また、毒と薬は境界線があるだけで、ほとんど同じものであることを知りました。薬の多量摂取は体に悪いと知っていましたが、毒でも適量を摂取すれば健康状態の向上につながると知りました。今日の講義で、食品の本質についても考えることができましたが、それ以上に私自身の視野の狭さにも気づきました。研究は物事のもう1つの見方や、事実を明確に示すことができるのだと分かりました。今日は講義をしていただき本当にありがとうございました。

村上コメント

 「1つの化学物質を取り出して、効果を調べる」という研究手法もあります。ただ、食品をいろんな部分に分けていってその都度、機能を調べ、精製を進めていくことで最終的に活性成分を見つける、という手法の方が効率が高いので、よく用いられます。食品の抽出物といっても数百、数千の単位で化学物質が含まれており、それらを1つ1つ調べるのは現実的ではありません(しかし、含量が非常に多いなど、特徴的なものに着目してその効能を調べる、というのはよくあります)。

 

生徒46.今日の講義をすごく楽しみにしてきて、講義を受けた後、「本当に楽しかったな~。」と満足していました。講義内容はわかりやすく、全てに興味が持て「なんでなん?」、「そうなんか!」と考えながら講義を受け入れました。先生の話し方がすごくわかりやすく、例に例えてくださったりしたので、しっかりと理解することができました。そして、充実した時間を過ごすことができました。今回の講義を通して、‘’サプリメント‘’や‘’健康食品‘’に頼りがちな現代人に是非次のように言いたいです。「サプリメントとか健康食品より前に野菜を取ればいいんやで!」。ファイトケミカルというすごく良い成分を含んでいる野菜をもっと摂取すべきだと思いました。タンパク質の変形の話でHSFという修復を働きかけるものを増やすのがファイトケミカルの特徴だと聞いて、ファイトケミカルは健康に生きるために必要不可欠なものだとはっきり気づかされました。またその他の効果も様々あると聞いて「ファイトケミカルって何か知らんかったけど、すごいやつや!」と感動しました。そして、野菜を摂取することや適度な刺激を与えることが大切だというのを聞いて、「やっぱり何事も腹八分目がいいんやな。」と思いました。でも、唯一、ご飯には勝つことができず、腹八分目じゃ済ませられないことが多いので、今日の夜ご飯から‘’八分目‘’を意識して食べたいと思いました。

村上コメント

「なんでなん?」→「そうなんか!」…いいですね。研究とはまさにこのプロセスの繰り返しです。実験しても満足できる結果が得られるのは10回に1回もなく、失望の繰り返しです。しかし、あるとき、自分が期待した結果が出た時は本当に胸躍る気分になり、この「病みつき感」が研究を続けるモチベーションになるのです。ところで、「腹八分目」は今でも実行できてますか? 自分の食スタイルを変えることは本当に大変です。多少、挫折したとしてもそれを気にせず、食自体を愉しみながら今回の話を覚えていてくれれば嬉しいですね。

 

生徒47.農学部は基本的に動植物の研究という印象だったので、食生活や医薬学にまで関与する分野だったということをしってとても興味深く感じました。英語のリーディングの文章でも同じような題材があったのですが、その時に知った薬品は基本植物からとれるのだという事実の具体的な理由をくわしく知ることができて、楽しかったです。一口に‘’農学‘’といっても前述したように医薬学や化学、生物学など色んな要素が含まれた分野で、広い(分野からの)視点で物事の研究ができる学問なんだなと思いました。私自身動物が好きなので、元々農学部に少し興味があったのですが、今回講演を受けさせていただき、より農学部に対する興味が大きくなったと思います。すばらしい講演をありがとうございました。

村上コメント

農学部に興味を持ってくれて嬉しく思います。農学部のキーワードの1つは「生命」だと思います。もちろん、他の学部でもそうした研究はできますが、より実生活に近いのが農学の良いところです。また、上に書かれているように広い視点が必要なのも農学の特徴です。

 

感想文を読んで

 

生徒さんの感想に対して全体的に感じたことは、皆、素直だなあ、ということでした。もちろん、名前を記しての感想文ですから「よそ行き」の面が多々現れたのかも知れませんが、私の伝えた内容を何の疑問もなく受け入れている様子に対して、多少の戸惑いと、こうした機会で講演することの責任の重大性も感じました。

 

もちろん、嘘の内容を話したつもりはありませんが、何でも簡単に「ああ、そうなのか!」と理解できたと思い込むことは、健康食品の怪しいCMに騙されることと根は同じです。特に、若い今の時期は「何でも疑ってかかる、自分がトコトン納得したことだけを信じる」という姿勢を貫いて欲しいなあ、と率直に思いました。

 

自分の反省点としては、「世の中、わからないことだらけ。だから何でもかんでも確信的に言い放っている人間や情報には注意しよう」、というメッセージをきちんと伝えるべきだったことが挙げられます。また、誤解を与えてしまった部分に関しても、言葉足らずだったことが原因なので今後に活かします。

 

京大の先生でも、ノーベル賞受賞者であっても間違いを言うことはあるし、特に科学では諸説ある場合がほとんどで、極端に言えば「絶対」などほぼない、というスタンスが大切です。人生を力強く生きていくためには、物事を鵜呑みにせず、そのときの自分の最大の力量で1つ1つの判断を行う習慣が必要だと私は思います。

 

このことに関連して、米国の音楽家Frank Zappa(1940-1993)は「Information is not knowledge.」というメッセージを残しています。私もときたま情報に流されることがあり、その時はいつもこの言葉を思い出して自分を戒めています。不確かな情報に左右されない生き方は人生を豊かにするはずです。

 

一方、今回の講義で伝えたかったメッセージはほとんどの生徒さんに概ねきちんと伝わっており、それを文章で的確に表現できる能力は素晴らしいと思いました。私にとっては日頃の商売の話をしただけで、苦労なく説明できましたが、ほとんど頭の中が白紙の状態であろう高校生がこれだけ理解してくれれば講師を務めた甲斐があったと嬉しく感じました。

 

(3)兵庫高校生訪問(09/19/12)

 

 昨年に引き続き、兵庫県立兵庫高等学校の2年生の生徒さん9名と先生1名が研究室を訪問しました(8月20日)。プログラムの内容については昨年と同様ですが、生徒さんの感想を転載しておきます。

 

※以下の写真と感想は高校と生徒さん本人の許可を得て掲載しています。また、必要に応じて、内容を損ねない程度に改変している箇所があります。

 

・村上先生がこれまでの人生について話してくださった。先生のお話を聞いて、自分に合った勉強法さえ見つけたら、目標にする大学に入れるのだと強く思った。 次に大学院生の方と高校生の私たちが互いに自己紹介をした。村上先生や大学院生の方は個性豊かな人たちだった。大学は神大で大学院から京大に入ってこれか ら留学予定の自由人の方や、○○県出身で「大学院は必ずしも良いところじゃない」「京都大学に入ったことを少し後悔している」などと驚愕することをおっ しゃっていた方や、高校卒業してからインドネシアから日本に来た方、歳は少し離れているが心は高校生とそんなに変わらないとおっしゃった博士課程の方… や、みなさん話が面白くて、京都大学の自由な校風が人の個性を引き出すのかと思った。とってもよかったのは研究職について聞けたことだ。研究者になるには 長い道のりが必要だとわかった。大学では四年以外に、修士が二年と博士三年の勉強が待っている。それと試練と地獄の世界があるのだ。研究は好きじゃないと 続けられないと思った。研究職の長所と短所も教えてもらった。自分の将来について考えるのに大いに参考になった。 

 

・私は、今回この「研究室訪問」に参加して、本当に良かったと思います。まず、大学生、大学院生のリアルな話(京大はいろんな地域から人が集まるから、方言が飛び交う、高校時代部活してた人が多い、京大の女子は京大女子っていうレッテル貼られてモテない、案外自由で1~3年は楽園。でも四回生から大学院2年は試練、そして博士課程は地獄…など)を 聞けたこと、また、実際に研究室で実験をさせてもらえて、楽しかったです。農学部は四回生から研究室に配属され、研究をするそうです。ですが、私は正直、 研究が一体どんなものか、知りませんでした。まず、大学院生が言っていた研究のおもしろさとは、自由と主体性がベースになっていて、その上に、「論理的思 考、自己表現、閃き、チームプレー、忍耐、達成感」があるということです。私が意外に思ったことは、チームプレーです。私のイメージでは、研究とは、ただ黙々と1人で研究を続け、結果を導くものだと思っていましたが、そうではありません。チームで考えたり、結果の考察や議論をしたりと私が想像していたものとは異なりました。また、いい結果は、実験を100回やったら1回でるくらいらしく、研究には「忍耐」が必要であり、その分「達成感」があるものだと、初めて知りました。それを聞いて私は「研究っておもしろそう」と思いました。ま た、先生が、「研究者で良かった点」を話してくださったとき、こんな内容がありました。それは、「疑い深い、観察癖、負けず嫌い、という自分の性格が研究 者に合っている」とのことでした。あれ?めっちゃ自分あてはまってるやん!って思いました。私はバレー部なのですが、チームプレーは凄く好きだし、「もし かして、自分って研究者向いてるんちゃう?」とか思ったりもしました。就職難の時代なので、将来のことを思うと、資格がたくさん取れることが大切なのかな と思い、神大医学部保健のオープンキャンパスに行ったりもしました。私は、将来の安定のために大学を選ぶか、やりたいことを重視して選ぶか、迷っていまし た。まぁ、まだ高2やし、そんな深いこと考えるのも、難しいんです。だから、本当に進路で悩んでました。学部はどれが自分に向いているのか、全然わからな いし…。でも、今回の研究室訪問では、たくさんいい話を聞けて、本当に良かったです。そして、農学部っていいなって思いました。とりあえず、今はたくさん 勉強して、大学の選択肢を増やせたらいいなと思います。

 

・私が今回の京都大学農学部研究室訪問に行きたい!と思ったのは もともと農学部に興味があったし、京都大学ではどんな研究をやっているのだろうと知りたかったからです。あと、これからの勉強の良い刺激になれば!!とも思って行きました。忙しいなか、1日 をさいて大学生や大学院生の方々5人と、先生が迎えて下さいました。質問タイムでは、普段聞くことのできない 京大生のなまの声を聞くことができ、勉強のしかたについてや一人暮らしがどんなものかについてなど、幅広く答えていただきました。驚きがいっぱいでした。 私の「京大生」のイメージが変わりました!他にも農学部を案内してもらったり、京大生がいっぱいいる食堂で昼食をとったり、実験をしたり…とたくさんの経 験をしました。今回の研究室訪問で私は、京大めっちゃいい!!!と強く思いました。行きたい!とまで思いました。こんなことを思うなんて、思ってもみませ んでした。いまの成績では全然なので、もっともっと努力しないと!と、本当に良い刺激になりました。研究室訪問に行って本当によかったです。

 

・簡潔に一言で今日の感想を言うと農学部に行きたい!勉強のモチベーションがあがった!って感じです。私は今まで高校とかを名前とかで決めてて、とくに行き たいと強くおもえる理由がありませんでした。でも、今回初めて京都大学の校風などをみて、学歴を問わずにこういう大学に行きたいと強く思いました。私はも ともと植物を育てることや食品に関することについて興味をもっていて、農学部に行きたいなと考えてました。でも、その農学部の中に様々な学科があっていま いち自分でもよくわかっていませんでした。今日の講義を受けて少しずつ大学についてやどのような学科があるのかわかって自分の中で目標ができました。今日 の講義を受けて自分で限界をきめてここまでっておもってしまうことや妥協をしてしまうと本当にダメだとおもわされました。研究室訪問だけでなく自分自身の 勉強の考え方まで見つめ直すことができてよかったです。

 

・最近やっと自分の進路について具体的に考えるようになり、薬学部に行くのか農学部に行くか迷っていました。薬学部にはオープンキャンパスで行くことになって いたので、京大なんか私の頭には全くなかったけど、とりあえず農学部を知ろう、という思いで今回の研究室訪問に参加しました。大学生や先生の話は実体験や 具体的なものが多く、質疑応答の時間もあったのでとても参考になりました。また農学部の中にも森林のことを考えたり食品の研究ができたりなどいろいろな学 科があったのでいいな、と思いました。京大は他の大学に比べて自由だといっていました。私は大学でいろいろなことに挑戦してみたいと思っていたのでその点 にすごく魅力を感じました。今回の研究室訪問は私にとってすごく刺激となりました。これから目標を高くもって勉強していきたいです。

 

・京都大学は初めて行ったので、少し緊張していたけど、先輩方や先生がとても親切で、気をつかって下さって嬉しかったです。先輩方のお話はどれも貴重なお話 ばかりで、先生のお話もすごくためになりました。この機会にしか聞けないことがたくさんあって、色々な話ができて良かったです。研究について大切なこと、 これからの人生について大切なことをたくさん教えて頂きました。大学生活は思っていたより自由で、衝撃を受けました。大学を卒業したら大学院があり、まだ その先に博士課程があるということを初めて知りました。大学は4年だけじゃなくて、自分が学びたければ大学院にも行けるということを知りました。農学部の約8割の人が大学院に進学するというのも驚きました。もし自分が大学に受かったらその後のことも考えるきっかけになりました。研究室で実験もさせて頂き、本当に 貴重な体験をさせて頂きました。色々な研究室を紹介してもらって、楽しむことができました。高校ではやらないような難しい実験をしていて、驚くことばかりでした。貴重な話や体験ができて、本当に良かったです。

 

・私は京都大学に今回初めて行きました。大学院に入った時、先生、学生さんに会った時初めてに感じたのは、他大学の学生さんとは雰囲気が全く違うことでした。上手く言い表せませんが、何か活気に溢れているような感じがしました。さらに、その学生さんの中でも学士、修士、 博士の順に発言の仕方や雰囲気が違っていました。私はその雰囲気に圧倒されました。私は、博士の方の話がとても良かったと思いました。とても理解しやすい 内容だったので聞いていて楽しかったです。学士から博士までの過程を楽園、試練、地獄と例え、今まで遠い存在だった大学、大学院を身近なものに感じられま した。また、オープンキャンパスでは味わえないほど学生や大学を近くで知ることが出来ました。オープンキャンパスよりこの研究室訪問の方がずっと楽しかっ たです。そして、最後には勉強に対する熱意が込み上げてきました。

 

・今回、この京都大学農学部の研究室訪問に参加して、色々な事を勉強させて頂きました。現役京大生の生活、農学部での研究室ではどのような事を研究しているのか等、普通のオープンキャンパスでは絶対に体験できないような事をこの研究室訪問で体験する事が出来ました。私はこの研究室訪問に参加するまで、まず ‘農学部’という学部に興味はなかったのですが、今回参加して、‘農学部’とただ一言で言っても農業の事だけを専門としているという訳ではなく、食品、医 療、宇宙等と様々な分野も占めている事が分かり、家路に着くころには、‘農学部’、いえ、‘京大の農学部’にとてつもない憧れを感じるようになっていまし た。まだ、今すぐに進路決定を出来るわけではないけど、この研究室訪問に参加して、将来の選択肢がまた一つ増えたと感謝しています。本当にありがとうござ いました。

 

■サイエンスカフェ(02/25/12)

 

一般人を対象とし、京都のカフェバーで「野菜の成分は敵か味方か? ~体に良い理由(わけ)を考えよう~」というタイトルのサイエンスカフェを行った(主催:日本農芸化学会)。20時から開始し、出席者はアルコールを片手に約1時間聴講した。その後は打ち解けた雰囲気で約30分間の質疑応答を行った。「ファイトケミカル」という専門用語を初めて聞いた方も多かったようだが,講演での専門用語の使用は3個(phytochemical, heat shock protein, zerumbone)までと限定し、また時おり冗談を交えながら説明したことによって、専門的な研究内容であっても、概ね理解して頂けたと考えている。事実、参加者のアンケートでは、5段階の満足度評価で,「5点:非常に満足」と「4点:満足」が共に50%という結果であった。

 

嬉しい感想

 

※この頁の一番下に主催者レポートを貼っています。

 

■兵庫高校生訪問(08/26/11)

 

2011年8月26日、兵庫県立兵庫高等学校(私の母校です)の1,2年の生徒さん10名と先生1名が研究室を訪問しました。その内容について簡単に紹介しておきます(今回のプログラムについては大学院生4名に協力してもらいました。この場を借りて御礼申し上げます)。

 

【概要】

 ・10:30-13:00

 

1)出席者全員の自己紹介

2)村上のプレゼン(大学とはどんなところか、京大とはどんな大学か、研究とはどんなものか、研究者とはどんな職業か、私はどんな研究をしているか、など)

3)大学院生のプレゼン(学生から見た大学(院)生活はどんなものか、院生の生活はどのように厳しいのか愉しいのか、これまでの人生で何が大切だったと感じているか、高校生へのメッセージなど)

4)ざっくばらんな質疑応答

 

・13:00-14:00

 5)大学食堂で昼食

 

・14:00-15:00

 6)簡単な実験(市販ジュース中のβカロテン含量の測定)、実験機器・実験材料の見学

 ・15:00-随時解散

 7)京大総合博物館の見学

 

私の感想

 

初めてだった昨年度に続いて二度目だったので少し慣れたように感じます。

 

昨年の反省を活かし、今年は質疑の時間を十分に取りました。私が高校生だった30年前とは違って、今の生徒さんは相当シャイで真面目なのでドンドン手が挙がるという感じではありません。でも、院生をイジりながら(笑)、また指名するなどして質問を促したことで結果的に多くの質問が引き出され有意義な時間になったと思います。

 

また、おそらく高校生だけではなくて、院生や私にとってもかなり有意義な時間だったと感じます。高校生、院生、教員という全く異なった3種の立場で、互いに考えていることや経験を共有し合うという機会は日頃はなかなかないものでしょう。私自身も高校や大学院時代の自分と照らし合わせ、また同時に、現在の彼ら彼女らの心中を垣間見る、というのは貴重な経験でした。

 

自分が当たり前のように毎日勤務している大学の研究室という場は高校生にとっては遥か向こうの世界です。でも、それが比較的負担の少ない方法で少しでも近づくのであれば意義深いことだと思います。

 

このようなプログラムは、小さな社会貢献として、可能な限り続けて行きたいと考えています。

 

高校生の感想(ほとんど原文のまま。一部改変)

 

「今回私は進路もまだ迷っていたので、参考になればと思ってこの研究室訪問に行かせてもらいました。初めは堅苦しい感じかと思っていたけど、院生の方々が説明したり気軽に話してくださったので本当に楽しかったです。専門的な機械や部屋も見せてもらってワクワクしました。また楽しいことだけではなく研究者の大変なところなども話してくださいました。真剣に進路を考えないとダメだなと思えたので良かったです。とても進路を決める参考になったので、来年からも是非実施したらいいと思いました。」

 

「昨日は、『京都大学大学院農学部食品生物科』というところでお話を聞きに行きました。最初は、大学についてや大学院生活について大学院生に生の話を聞いたあと、村上先生から、食品生物科についてどんなことをしているのかなどの話を聞きました。次に、簡単な実験をさせてもらい、見たことの無いような実験器具を触らしてもらいました。実験中に待ち時間がありその間に動物室や4℃室に入らしてもらい、当然、今まで入ったことが無いので嬉しかったです。最後に、京大の博物館を見学して、珍しいものがたくさんあり、すごかったです。いい思い出ができて良かったです。」

 

「大学はやっぱりすごく立派で、他の大学とは規模が違うかった。教授や院生の方々から様々な話を聞いたが、自分の将来にとても役立つような知識がたくさん得られた。理系は忙しい印象しかないが、院生さんが大学の3年間は楽園のようだと言ったのを聞いて少し安心した。でも大学院に入ると、そこからは厳しいらしいので私は院にはなるべく入りたくないと考えた。実験なども体験させてもらって、大学生がどういうことをしながら勉強してるのかが少しわかった。今回で将来について深く考えることができたし、普段の生活では体験できないようなことをたくさん体験できたし、色々な知識を得ることができ、とても自分の為になったので行ってよかったと思った。」

 

「京都大学農学部では最初に大学生の生活、研究の面白さ、人間にとって大切なことなどを大学生に教わりました。その後、研究室見学をしました。研究室に置いてる機械の値段を聞くとさすが京大だと思いました。 京大生はみんな個性的でした。」

 

「私は今回初めて大学の中に入りました。京都大学といえば、超難関校というイメージで、私みたいな人がこんな所に来ていいのかな、とすごく緊張していました。また、同じ学年の人が3人で、女子は私だけだったので、とても不安でした。しかし、講義で、村上先生や大学院生の方々のお話を聞いているうちに、緊張や不安などの事は忘れ、真剣にお話に聞き入っていました。「毎日研究や実験をしても、失敗がほとんど。とても忍耐力が必要」というのには驚きました。今回参加して、とても良かったと思います。実際に行って、自分の目で見て、体験してみる事が大切なのだ、と思いました。」

 

「今回の京都大学での実習はとても実りのあるものだと思いました。最初のガイダンスは、分かりやすい説明が多く、京都大学がどういう感じなのかよく伝わりました。それに、実際の学生さん達がいらっしゃったので、京都大学での生活がとても身近なものだと感じました。こちらのしょうもない質問にも、ちゃんと自分でも分かるよう答えてくださってありがとうございました。 実験では、いろんな道具や目的に到達するための考え方に触れて、いい経験ができました。特に物の速さで区別することはすごい発想だなと思いました。今回のことは、自分の視野を広くするいい機会でした。自分も京都大学を目指して頑張りたいです。」

 

「午前中に京都大学について多くの事を知ることができたのは今まで以上に京都大学に興味を持て、非常にいい機会になりました。また質問に大体1時間程度の時間をとって頂き質問に対してかなり丁寧に答えて下さったのはとてもありがたかったです。実験は野菜ジュースの成分を調べるというものでこれまでに扱ったことのない器具に触れることができて大学での実験の雰囲気を知ることができました。以前○○大学で××部に行ったたことがありましたが○○大学の実験器具の設備と京都大学のものでは圧倒的に京都大学の方が充実していました。今回の京都大学訪問で改めて京都大学に魅力を感じました。大学の違いはやはり行ってみないと分からないと感じました」

 

「研究室に訪問して思ったことは、まず京都大学の規模に驚きました。全生徒数23000人で、教職員数5000という多さが凄まじく、更に予算が約1400億円(※村上訂正)というのも驚かされました。最初にパワーポイントで聞いたことはこれから役立つだろうと思いました。次に研究室では、野菜ジュースのβカロテンの含有量を調べる実験は、面白かったのですが、自分の班は含有量が明らかに少なく 、0.477μgしか入ってなかったのが興味深かったです。その実験の間に見させて頂いた低温室とマウスの部屋はとても貴重な体験でした。次に学食ではリーズナブルかつ美味しい料理を食べれました。そこではレシートに栄養価について書かれていたのが、すごいと思いました。最後の博物館は、多くの展示物が複製ではなく本物で、とても貴重な物ばかりでした。更に、先生のする話も面白く、とても楽しめました。」

 

「今回初めて京大を訪問して、これまで知らなかった京大の空気を肌で感じることが出来た。また、これまでは将来薬の研究者になりたいと思っていたが、実際に研究室に所属している学生の方の話を聞いて食品の開発もおもしろそうだと思った。自分の将来を見つめ直す良い機会となったので参加して良かったと思う。」

 

「電車に乗って一人で京都へ。京大のオープンキャンパスに行くこと。それ自体が、この夏休みの一番の思い出になりました。キャンパス内は東大に少し似ている感じでしたが、京大の方が、より一層、森の中という感じがしました。大学はどんなところなのか。漠然としたイメージしかなく、深く考えることもあまりありませんでした。しかし、京大はとても丁寧に教えてくれました。大学の後に大学院修士課程があること。博士の4年間は地獄であること。研究では自己表現だけでなく、チームプレーも大事であること。大学院生の人達も、丁寧に質問に答えてくれたので、分かりやすかったです。昼食の後は実験。遠心分離機は○○大のオープンキャンパスでも使ったことがありましたが、検量線や分析条件といった聞き慣れないものも多く、しかしおもしろいとも思いました。この夏休みの間に、行く大学を決めようと考えていた自分は今回のオープンキャンパスを通じて自分の人生のための大事な目標を見つけることができました。この目標に向かって残り半分の高校生活を頑張っていきたいです。」

サイエンスカフェ主催者レポート
Science Cafe_022812_report.pdf
PDFファイル 627.0 KB

学問小話(研究紹介)

プレスリリース資料(09/13/2023)

プレス配布資料確定版.pdf
PDFファイル 1.5 MB
研究紹介
(公財)浦上食品・食文化振興財団設立30周年記念誌より抜粋(許可を得て掲載)
浦上財団2016.pdf
PDFファイル 2.6 MB
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